『となりのトトロ』を読む(2日間集中/全4回、7,000円)

8月27日(土)第1回、第2回 13:00〜16:00(各回80分、休憩あり)

8月28日(日)第3回、第4回 13:00〜16:00(各回80分、休憩あり)

もはや古典と呼べるこの豊饒なテキストを読むためには、ただ漫然と観ていては損です。さまざまな問いをテキストへと投げかけることです。テキストを静止して固定したものとしてではなく、いろいろな力や考えがぶつかる動的で矛盾を抱えたものと捉えたときに、思わぬ風景が広がっていきます。ここでは、その手がかりとなる「引っ越し」「家族」「イメージの借用」「ローカル」の4つのポイントに触れながら、『となりのトトロ』の読み方を広げていきます。

 

【授業予定】

1日目▶︎第1回 引っ越しと郊外/第2回 複数の家族の物語として

2日目▶︎第3回 イメージの借用と展開/第4回 ローカルからの脱却

講師

小野俊太郎(おの しゅんたろう)

文芸&文化評論家。青山学院大学や成蹊大学でも教える。専門:英米の文学文化と日本の戦後文化。

著書:『フランケンシュタインの精神史』(彩流社、2015)、『「東京物語」と日本人』(松柏社、2015)、『スターウォーズの精神史』(彩流社、2015)。映像作品や小説を、文化史的視点や文化コードを読み解く観点から考えている。

作品の細部に分け入って、それを成立させているさまざまな要素を考えた上で、もう一度作品に戻って魅力を探ることを目標にしている。近刊は『ウルトラQの精神史』(彩流社)と『未来を覗く H・G・ウェルズ』(勉誠出版)。9月に宮崎駿論を春秋社から刊行予定。

 

女性像からみる原爆映画(2日間集中/全4回、7,000円)

8月20日(土)第1回、第2回 13:00〜16:00(各回80分、休憩あり)

8月21日(日)第3回、第4回 13:00〜16:00(各回80分、休憩あり)

真白な衣装を着た女教師が白血病の少女の枕元で童謡を歌う――これは新藤兼人の映画『原爆の子』の一幕です。ヒロインの歌声によって少女が戦争前の穏やかな日常を思い起こすこのシーンは、しかし、後の原爆映画で批判的に再利用され、作り変えられることになります。一体このシーンの何が問題とされたのでしょうか?また、これらの映画に登場する清らかなヒロインと原爆問題との関係は?この講座では、「反戦平和」を訴える映画と一括りにされがちな原爆映画の映像と音声を丹念に観察することで、原爆症遺伝や朝鮮人被爆者などの社会問題に直面するごとに、原爆映画が既存の作品を作り変えてきた歴史を、映画の女性像をヒントに振り返ります。

 

【授業予定】

1日目▶︎第1回 童謡を歌う女教師――新藤兼人『原爆の子』(1952)

     第2回 君が代を歌う女教師――関川秀雄『ひろしま』(1953)

2日目▶︎第3回 農婦のイメージと乳房――新藤兼人『母』(1963)

     第4回 砕かれたマリア像――熊井啓『地の群れ』(1970)

講師

片岡佑介(かたおか ゆうすけ)

一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程。映画研究(原爆映画)。

「原爆映画におけるマリア像と母の声――熊井啓『地の群れ』を中心に」(『言語社会』9号、一橋大学言語社会研究科、2015)、「黒澤明『生きものの記録』における〈核〉への恐怖を蔽うものについて」(『言語社会』7号、2013)など。

 

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