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20194月期開講講座

◆受講をご希望の場合は、受講申し込みページより、必要事項をお送りください。

◇講座によって金額、会場が異なります。

​◆定員は原則として人文学講座20名人文学ゼミ10名です。

​◇受講申込み〆切りは、各講座の開講日一週間前です。

キャンセル待ちをご希望の場合も、受講申込みページより必要事項をお送りください。

学割のお申込みは3月10日より受付ます。それ以前に定員に達した場合はご容赦ください。

☆・・・その分野について関心があり、これから学んでみようと思う方

☆☆・・・その分野についてより深く学んでみたい方

☆☆☆・・・普段からその分野に親しんでいる方

​※あくまで講座の目安としてお考えください。

人文学/Kunitachi         

  哲学  

受付修了ジャック・デリダの脱構築思想入門 (一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第3火曜日 (4/16、5/21、6/18、7/16)19:15〜20:45 会場:コウヨウ 6階

フランスの哲学者ジャック・デリダ(1930-2004年)は脱構築の思想家として知られていますが、彼の仕事は哲学のみならず、文学、政治、言語、倫理、教育、芸術、精神分析など多岐にわたるものでした。デリダの思想がいかなる意義をもつのかは、20世紀の思想史の風景を眺望するための重要な問いであり続けるでしょう。本講義では、脱構築をめぐる入門的な解説をおこなった上で、デリダが1990年代以降に展開したさまざまな主題を取り上げ、関連著作とともに、その今日的な意義を考えます。

第1回では、デリダの生涯をたどりながら、彼の思想形成の筋道を解き明かします。第2回では、脱構築の定義や理論を確認した上で、その実践的な意義について理解します。第3回では、小著『嘘の歴史』を参照して、嘘の哲学的な規定とその政治的な利用を理解した上で、「ポスト・トゥルース」と言われる現状を考えます。第4回では、『赦すこと』を参照して、20世紀の政治的・歴史的な悪事(ユダヤ人大虐殺など)をめぐって、赦しに関する哲学的な議論を深めます。

 

【授業予定】

第1回 デリダとは誰か

第2回 脱構築とは何か

第3回 嘘と真実の政治――『嘘の歴史』

第4回 赦しの試練――『赦すこと』

【参考文献】

高橋哲哉『デリダ』講談社学術文庫、2015年。

ジャック・デリダ『嘘の歴史』未來社、2017年。

ジャック・デリダ『赦すこと』未來社、2015年。

講師

西山雄二(にしやま ゆうじ)

首都大学東京・人文科学研究科・准教授。フランス思想・文学。

著書に、『異議申し立てとしての文学――モーリス・ブランショにおける孤独、友愛、共同性』(御茶の水書房)、『哲学への権利』(勁草書房)など。編著に、『哲学と大学』(未來社)、『カタストロフィと人文学』(勁草書房)、『終わりなきデリダ』(法政大学出版局)など。翻訳に、ジャック・デリダ『獣と主権者』(全二巻)、『哲学への権利』(全二巻)、『条件なき大学』、『名を救う』、『嘘の歴史 序説』など。


  歴史  

受付修了多摩地域の歴史を紐解く―江戸時代の生活と生業の様子を中心に☆☆(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

日時:第2土曜日(4/13, 5/11, 6/8, 7/13) 15:15〜16:45 会場:コウヨウ 3階 ※会場は3階になります

国立市域は、明治時代以前には武蔵国多摩郡に含まれていました。この多摩郡がほぼ現在の多摩地域(東京都の区部と島嶼部を除いた地域)と合致します。本講義では、皆さんにとって身近な多摩地域の歴史を紐解き、江戸時代の人びとの生活や社会の具体像に迫っていきます。

豊かな自然環境に恵まれた多摩地域で、人びとはどのような生活や生業を行っていたのでしょうか。江戸時代の古文書や地誌(『新編武蔵風土記稿』)を読んで学びましょう。

講座の後半では、江戸時代の谷保村(現国立市)や小川村(現小平市)などに焦点を当て、村の景観や様子をより具体的に見ていきます。また、江戸時代の谷保天満宮を描いた絵図を携えて、現地を訪れます。

江戸時代の古文書や絵図を読み解き、巡見を行いながら、一緒に多摩地域の歴史の歩みを学んでみませんか。

 

【授業予定】

第1回 多摩地域西部(山と生きる・山村に特徴的な産業-石灰・林業・薪炭・生糸)

第2回 多摩地域東部(江戸・東京との境界地域)

第3回 国立周辺に生きた百姓の暮らしと文化

第4回 谷保天満宮へのフィールドワーク

【参考図書】

鈴木直樹『近世関東の土豪と地域社会』(吉川弘文館、2019年)

渡辺尚志編『生産・流通・消費の近世史』(勉誠出版、2016年)

講師

 

鈴木直樹(すずき なおき)​

日本学術振興会特別研究員PD(中央大学) 歴史学(日本近世史・地域史/村落史)

著書 『近世関東の土豪と地域社会』(吉川弘文館、2019年)

論文 「近世後期松代藩領における地域社会の再編と洪水」『信濃』第70巻第4号、2018年、「年中行事に見る山間村落の社会構造」渡辺尚志編『生産・流通・消費の近世史』勉誠出版、2016年、など

  文学  

文学から見る沖縄──「自画像」に抗して/「自画像」を求めて ☆(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

日時:第4水曜日(4/24, 5/22, 6/26, 7/24) 19:15〜20:45  会場:コウヨウ 6階

この講座では、戦後沖縄文学の代表的な作品を読みながら、沖縄文学がその独特の歴史の中でいかに生じてきたのかを学びます。日本国家の一地方として組み入れられるなかで、典型的な「沖縄人」像が生産され流通していることに抗して、沖縄は、いかに自らによる「自画像」を描くことに挑戦し続けているのでしょうか。

初回に、いくつかの作品から、外から一方的に与えられる「沖縄人」像が逃れがたい枷として人々に与える様々な影響を見ていきます。2回目以降に、歴史的・政治的背景を確認しながら、文学がいかにその像に抗い、自ら「自画像」を描くことに挑戦しているかを読み取ります。現実を捉えると同時に、現実を乗り越える思想の次元が織り込まれている沖縄文学作品を通して、現在の沖縄が直面する問題を考える一つの視点をお伝えできればと思います。

【授業予定】

第1回 沖縄をめぐる表象の問題 ──山之口貘「会話」
第2回 継続する戦争状態 ── 大城立裕「カクテル・パーティー」、目取真俊「水滴」
第3回 沖縄のなかの他者 ── 又吉栄喜「ギンネム屋敷」、崎山多美『クジャ幻視行』
第4回 来るべき共同性へ向けて ── 知念正真「人類館」、「反復帰反国家」論

【使用テキスト】

『新装版 沖縄文学選 日本文学のエッジからの問い』岡本恵徳、高橋敏夫、本浜秀彦編、勉誠出版、2015年。

崎山多美『クジャ幻視行』花書院、2017年。

※入手しにくいテキストについては、講座で取り上げる箇所のコピーをこちらで準備するか、事前にPDFでお送りします。

 

  【参考図書】

岡本恵徳『現代沖縄の文学と思想』沖縄タイムス社、1981年。

岡本恵徳『現代文学にみる沖縄の自画像』高文社、1996年。

鹿野政直『沖縄の戦後思想を考える』岩波書店、2011年。

新城郁夫『到来する沖縄:沖縄表象批判論』インパクト出版会、2007年。

講師

佐喜真彩(さきま あや)

一橋大学大学院言語社会研究科博士課程在籍。近現代沖縄文学・思想。

論文に「「他者」を聞きとるということ ── 崎山多美における音の考察をとおして」(『言語社会』第九号)、Encounter Between a Sex Worker and a Solider in Postwar Okinawa in Sueko Yoshida’s Love Suicide at Kamaara (Correspondence #3)など。

人文学/Shibuya                 

  哲学  

受付修了ハイデガー哲学の基礎と展開 ― 当事者であることの不思議さ ―☆☆(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

日程変更あり(2回目も変更になっています)第4土曜日(4/204/21, 5/25→6/2, 6/22, 7/27) 15:15〜16:45) 会場:KOMOREBI(渋谷)

本講座では、『存在と時間』を出発点として、20世紀ドイツの哲学者マルティン・ハイデガーの思想とその発展について概説します。ハイデガーは、現象学、解釈学、実存思想、ポストモダニズムなど現代哲学の重要な潮流にひろく影響を与えた二十世紀最大の哲学者の一人です。また、1930年代のナチス協力、弟子だったアーレントの全体主義批判との関係、同時代の京都学派への影響など、20世紀の世界と日本の精神史に取り組むうえでも避けて通れない哲学者です。

全4回のうち、初めの2回は主として『存在と時間』に即して、ハイデガー哲学のもっとも基本的な論点である「事実性」、「世界内存在」、「気分」・「了解」・「語り」、そして「本来性」などについて、《当事者》というキーワードを軸にしてお話します。第3回では、『存在と時間』以後から1930年代半ばまで続いた「形而上学期」と呼ばれる思想的段階について、その理論的意義、ハイデガーの政治参加との関係、そしてハイデガー以後のメルロ=ポンティやレヴィナス、ヨナス、フーコーといった一連の哲学者との関係についてお話します。最後の第4回では、俗にいう後期哲学への「転回(ケーレ)」の内実と現代哲学の文脈におけるその位置について概観し、ハイデガーの存在の問いの到達点について確認します。

【授業予定】

第1回 ハイデガー哲学の基礎1:事実性と世界内存在
第2回 ハイデガー哲学の基礎2:本来性の問題(死・良心・決意)
第3回 ハイデガー哲学の展開:形而上学期の哲学
第4回 ハイデガー哲学の転回:後期哲学における「出来事」の問題

 

【参考図書】

景山洋平. 『出来事と自己変容ハイデガー哲学の構造と生成における自己性の問題』. 創文社. 2015

轟孝夫. 『ハイデガー『存在と時間』入門』. 講談社. 2017

ドレイファス、ヒューバート. 『世界内存在 『存在と時間』における日常性の解釈学』. 門脇俊介(他)訳. 産業図書. 2000

講師

景山洋平(かげやま ようへい)

2005年 東京大学文学部卒。2007年〜2010年 日本学術振興会特別研究員DC1。2010年〜2012年 ドイツ学術交流会長期留学奨学生としてヴッパタール大学にて在外研究。2012年 東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。2012年に同研究科より博士(文学)を取得。2013年〜2016年 日本学術振興会特別研究員PD。2016年〜 2019年 東京大学大学総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構専任講師。2019年より、関西学院大学文学部准教授。主な著書:『出来事と自己変容 ― ハイデガー哲学の構造と生成における自己性の問題』(創文社 2015)。2012年 日本現象学会研究奨励賞受賞。


  歴史  

受付修了移民国家アメリカの歴史(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第2月曜日(4/8, 5/13, 6/10, 7/8) 19:15〜20:45 会場:アクアミーティングスペース渋谷

アメリカ合衆国は「移民の国」──誰もが口にするこの国のかたちは、いかに形成され、どう変貌してきたのか。本講義では「移民国家アメリカ」の歴史を、その成り立ちから現在まで論じてみたいと思います。みなさんと一緒に、トランプ政権下で揺れ動く「移民国家アメリカ」の<いま>を考え、また移民受入れが秒読み段階となっている日本社会の<これから>を考えてみたいと思います。

昨年刊行した『移民国家アメリカの歴史』を教科書にして、講座ではより深掘りしていきます。太平洋を渡った日本人移民や中国人移民の歴史を辿りながら、彼らの歴史経験が現在のアメリカにどのようにして歴史的教訓として活かされているのか。トランプの移民行政への異議申立てとしてなぜGoogleが日系人のフレッド・コレマツを使ったのか。第二次大戦中に強制収容を経験した日系アメリカ人がなぜ、いま注目を集めているかについて考えてみましょう。

 

 

【授業予定】

第1回 アメリカはいつ「移民国家」となったのか? ──「移民国家」神話の系譜を問う──

第2回 日本人移民と二つの世界大戦

第3回 アジア系アメリカ人の戦後──日系人リドレス運動と多様なアジア系移民の流入──

第4回 9.11同時多発テロとアジア系移民の歴史経験

 

【参考図書】

貴堂嘉之『移民国家アメリカの歴史』(岩波新書、2018年)

講師

貴堂嘉之(きどう よしゆき)

一橋大学大学院社会学研究科教授。専門はアメリカ合衆国の歴史。

著書に『移民国家アメリカの歴史』(岩波新書、2018年)、『アメリカ合衆国と中国人移民-歴史のなかの「移民国家」アメリカ-』(名古屋大学出版会、2012年)、『「ヘイト」の時代のアメリカ史-人種・民族・国籍を考える-』(共編著、彩流社、2017年)、『大学で学ぶアメリカ史』(共著、ミネルヴァ書房、2014年)など。

  文学  

受付修了増殖するロビンソン・クルーソー ──モデル、分身、改変☆☆(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第1金曜日(5月のみ第2金曜日)(4/5, 5/10, 6/7, 7/5)19:15〜20:45) 会場:アクアミーティングスペース渋谷

1719年、ちょうど300年前に出版された『ロビンソン・クルーソー』は、当時から現代まで人気が衰えることなく、無人島をひとりで生き抜く主人公のイメージは世界中で知られています。みなさんの中にも、子どものころに読んだという方が多いのではないでしょうか。

ですが、その『ロビンソン・クルーソー』のほとんどが、原作を簡略化したり、一部を改変したものだと思います。実はこれは、原作の刊行直後から見られた現象で、作者のダニエル・デフォーも不満を述べています。もっとも、簡略版や改変版のすべてが単に原作を改悪したものとは限りません。また、こうした現象が生じた原因はデフォーの原作にもあります。原作の物語や人物造形は良くも悪くも統一感に欠けるところがあり、ついつい書き直したくなる気持ちも分からなくはないのです。

本講義では、まず作者であるデフォーの生涯を追い、彼自身と彼の生み出したロビンソン・クルーソーという人物との対応についてお話しします。2回目の講義では、原作が普通の小説と比べていかに風変わりなものかを、分身というテーマに沿って解説し、3回目には原作を改善しようとして書かれた改変版を読みながら、文学作品の面白さとは何かを論じます。最後に、様々な改変を蒙りながら300年を生き抜いてきた『ロビンソン・クルーソー』という作品が、現代を生きる私たちにとって持ちうる意義について、みなさんと一緒に考えたいと思います。

【授業予定】

第1回 「きみの境遇は社会の中くらい」──モデルとしての作者

第2回 「ロビン、ロビン、ロビン・クルーソー」──ロビンソンの分身たち

第3回 「このゴミ屑め!」──改変という宿命

第4回 「本当に途方もない事件の数々」──サヴァイヴするロビンソン

【参考図書】

ダニエル・デフォー著『ロビンソン・クルーソー』、武田将明訳、河出文庫、2011年

富山太佳夫、原田範行、服部典之、武田将明『「ガリヴァー旅行記」徹底注釈』、岩波書店、2013年。

講師

武田将明(たけだ まさあき)

東京大学大学院総合文化研究科准教授。著書に『「ガリヴァー旅行記」徹底注釈』(富山太佳夫、原田範行、服部典之との共著:岩波書店、2013)、『ローレンス・スターンの世界』(坂本武編、坂本武他との共著:開文社、2018)等、訳書に『ロビンソン・クルーソー』(ダニエル・デフォー著、河出文庫、2011)、『ペストの記憶』(ダニエル・デフォー著、研究社、2017)等。

人文学ゼミ/KUNITACHI         

 語学  

受付修了ラテン語を読んでみる☆☆(一般:12,000円/8回 学生:6,000円/8回)※定員20名・月2回開講 

第1・第3水曜日(4/3, 4/17, 5/15, 5/29, 6/5, 6/19, 7/3, 7/17) 19:15〜20:45

※5月1日休み。代わりに5月29日開講)会場:コウヨウ  6階

本講座では、ラテン語初学者向けの神話や寓話(イソップ童話など)を受講者の皆さんと一緒に読んでいきます。予めテキストをお配りしますので、事前に語彙や用法について調べておいていただき、授業ではその確認及び分からなかった単語や文法事項について解説していきます。

受講にあたっては文法書を一通り終えていることが望ましくはありますが、名詞と形容詞の変化と用法、動詞の直説法についておおまかに把握している程度のレベルがあれば問題なく受講可能です。基本的な文法事項についても確認しながら進めていくので、気軽な気持ちで受講してみてください。

【授業予定】

第1回 「導入」 辞書の引き方、予習方法、授業の進め方について説明します。

第2回 「ラテン語で神話を読んでみる1」

第3回 「ラテン語で神話を読んでみる2」

第4回 「ラテン語で神話を読んでみる3」

第5回 「ラテン語で神話を読んでみる4」

第6回 「ラテン語で神話を読んでみる5」

第7回 「ラテン語で寓話を読んでみる1」

第8回 「ラテン語で寓話を読んでみる2」

 

【使用テキスト】

テキストは配布しますので教科書は指定しませんが、事前学習にあたって辞書が必要になりますので以下をご用意ください。

水谷智洋『羅和辞典〈改訂版〉』研究社、2009年。

講師

村上寛(むらかみ ひろし) 

日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)。立教大学、明治学院大学、上智大学非常勤講師(ラテン語科目)、早稲田大学非常勤講師。専門は西洋中世思想。「マルグリット・ポレートの神化思想―源流と波紋、水と火の比喩を中心に」(田島照久、阿部善彦編著『テオーシス―東方・西方教会における人間神化思想の伝統』教友社、2018年)、「『単純な魂の鏡』における三つの死と三つの生」(甚野尚志、益田朋幸編『ヨーロッパ文化の再生と革新』、知泉書館、2016年)他。

  文学  

受付修了『源氏物語』を読む ☆☆(一般:12,000円/8回 学生:6,000円/8回)※定員10名・月2回開講  

日時:第1・第3金曜日 (4/5, 4/19, 5/17, 5/31, 6/7, 6/21, 7/5, 7/19 )19:15〜20:45

※5月3日休み。代わりに5/31開講  会場:コウヨウ  6階

日本文学のなかで最も有名な作品のひとつである『源氏物語』ですが、実際に原文で読んだことのある人は多くないでしょう。学校の授業や試験に出た経験から、難しく堅苦しい、間違ってはいけないものというイメージをお持ちの方もいるかもしれません。ですが少しずつ気になる部分を見つけて読んでいけば、決して難しいものではありません。

本講座では、いくつかの注釈書を比較し参考にしながら、『源氏物語』を原文で少しずつ読んでいきます。適宜解説し、現代語訳も参照しますので、高校の古典に苦手意識を持っていた方でも大丈夫です。主人公であった光源氏が亡くなった後の、宇治を舞台とする宇治十帖を読んでいきます。今回は前期からの続きを読んでいきますが、それまでの部分についても説明しますので、初めての方でも安心してご参加になれます。

宇治十帖においては、真剣な主人公とアイロニカルな語りの落差がときに滑稽さを産み出します。これまで知らなかった『源氏物語』の魅力を見つけることができるでしょう。

 

【使用テキスト】

配布資料を使用。

市販のものであれば、角川ソフィア文庫『源氏物語 8巻』が安価です。​

講師

西原志保(にしはら しほ)

人間文化研究機構国立国語研究所研究員

専門は『源氏物語』を中心とした日本文学。著書に『『源氏物語』女三の宮の〈内面〉』(新典社新書)、論文に「女三の宮のことば―六条院の空間と時間」(『日本文学』2008年12月)ほか。

※講師インタビューはこちら 

  哲学  

受付修了ヘーゲル『精神現象学』を読む ☆☆☆(一般:12,000円/8回 学生:6,000円/8回)※定員15名・月2回開講 

第2・第4金曜(3/8, 3/22, 4/12, 4/26, 5/10, 5/24, 6/14, 6/28) 19:15〜20:45 会場:コウヨウ  6階

※3月スタートの講座です

​※本講座のみ、学割の受付を1月15日より開始しております

この人文学ゼミでは、前期に引き続きヘーゲル『精神現象学』を実際に読みながら、講師による解説と、受講者相互の議論を通じて、理解を深めていきます。『精神現象学』は1807年に出版されたヘーゲルの主著であり、哲学史上の著作の中でもとくに難解なことで知られていますが、専門家の手引きがあれば、予備知識のない読者でも十分読み進めていくことができます。今期は「理性章」の冒頭から読み進めます。「理性」はドイツ古典哲学・ドイツ観念論において最も重要なキーワードのひとつといって過言ではありません。この箇所の読解を通じて、ヘーゲル哲学における理性の役割だけでなく、ドイツ観念論全般に関しても理解を深めていきましょう。最初の回にこれまでの概要の解説、加えて適宜哲学史の解説を行いますので、初めての方も安心して受講していただけます。

 

【使用テキスト】

『精神現象学』の翻訳は、大河内泰樹氏による訳を配布します。

既存の翻訳を手元に置いておきたい方は以下のものが比較的安価で定評があります。

樫山欽四郎訳、『精神現象学 上』、平凡社ライブラリー、1997年
また、先日刊行された最新の翻訳も大変参考になります。

熊野純彦訳、 『精神現象学 上』、筑摩書房、2018年。

講師

上田 尚徳(かみだ ひさのり)
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程。
著書に『ヘーゲルと現代思想』(寄川条路編、晃洋書房、2017年)、論文に「ヘーゲル『精神現象学』「Ⅰ感覚的確信」における指摘の問題」(『一橋社会科学』、2017年)「物を認識するとはいかなることか――ヘーゲル『精神現象学』「Ⅱ知覚」に関する一考察」(『唯物論研究年誌』、2017年)など。