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20199月期開講講座

◆受講をご希望の場合は、受講申し込みページより、必要事項をお送りください。

◇講座によって金額、会場が異なります。

​◆定員は原則として人文学講座20名人文学ゼミ10名です。

​◇受講申込み〆切りは、各講座の開講日一週間前です。

キャンセル待ちをご希望の場合も、受講申込みページより必要事項をお送りください。

学割のお申込みは8月10日より受付ます。それ以前に定員に達した場合はご容赦ください。

☆・・・その分野について関心があり、これから学んでみようと思う方

☆☆・・・その分野についてより深く学んでみたい方

☆☆☆・・・普段からその分野に親しんでいる方

​※あくまで講座の目安としてお考えください。

人文学/Kunitachi         

  哲学  

受付終了キルケゴール入門 (一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第3月曜日(9月のみ第2月曜日)(9/9、10/21、11/18、12/16)19:15〜20:45 会場:スペース・コウヨウ 6階

 

 キルケゴールは19世紀デンマークの思想家で、『死にいたる病』、『不安の概念』などの著作で知られています。その思想は、ヤスパースやハイデガーなど20世紀の実存主義に様々なインスピレーションを与え、日本でも特に戦後は広く読まれました。他方でそのキリスト教思想は、現代でも北欧の人権思想を支えています。 

 世俗化が進んだ現代、特にキリスト教文化になじみの薄い日本において、キリスト教信仰に立脚するキルケゴール思想は、最初は難しく思えるかもしれませんが、本講座ではキルケゴールが生きていた19世紀デンマークについて紹介することを通じてキルケゴールと私たちの橋渡しをしたいと思います。他者との対話が私たちの思考を前進させることはソクラテス以来の対話の伝統が示している通りです。

 本講座は、あくまで初学者に対しキルケゴール思想の概要を説明することを目的としながら、現代の私たちにとっても学ぶ価値がある思想であることについてもできる限り詳しく解説したいと思います。

 

【授業予定】

第1回 キルケゴールの生涯。キルケゴールの人生を概観する

第2回 キルケゴールの人間観。キルケゴールは実存を発展するものとして捉えた。キルケゴールが実存の諸相をどのように理解したのか、解説する

第3回 キルケゴールのキリスト教信仰。キルケゴールはキリスト教をどのようなものとして信じていたのか、その信仰について解説する

第4回 キルケゴール思想の現代的意義について。150年以上も前のデンマークのクリスチャンの思想が現代の私たちにとってどのような意義をもつのか。講師の私見を交えて解説する

【参考文献】

キルケゴール『死にいたる病・現代の批判』、中公クラシックス、2003年.

須藤孝也『キルケゴールと「キリスト教界」』、創文社、2014年.

河上正秀『キルケゴールの実存解釈』、春風社、2018年.

尾崎和彦『北欧学』、北樹出版、2018年.

藤野寛『キルケゴール』、岩波書店、2014年.

講師

須藤孝也

キルケゴール研究、宗教哲学研究。一橋大学、法政大学、放送大学等で非常勤講師。

1997年、一橋大学社会学部卒。2000年〜2002年、日本学術振興会特別研究員DC2。2010年、一橋大学大学院社会学研究科より博士(社会学)を取得。2014年〜2017年、日本学術振興会特別研究員PD。コペンハーゲン大学キルケゴール研究所にて在外研究。著書に『キルケゴールと「キリスト教界」』(創文社2014)、訳書にマーク・C・テイラー『神の後に』(ぷねうま社2015)がある。


  歴史  

受付終了はじめての古文書 ☆(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第2水曜日 (9/11、10/9、11/13、12/11) 19:15〜20:45 会場:スペース・コウヨウ 6階

 

 破れかけた和紙、ミミズがのたうったような筆文字、漢字か ひらがなか カタカナか、そもそもどれが一文字なのかもわからない――古文書(こもんじょ)に、こんなイメージをおもちではないでしょうか。多くの方にとって古文書は、テレビの画面越しに、あるいは博物館のガラスケースをはさんで「触れる」程度の、縁遠いものかも知れません。

歴史を探ろうとするとき、その重要な手がかりとなる史料(歴史資料)は、しばしば古文書です。わたしたちが、教科書や史料集や歴史書などの活字をとおして知っている史料の多くも、もとは古文書でした。そしてそれらは、全国各地にいまも大量に残されている古文書のごく一部にすぎません。多くの古文書は、いつか日の目をみるそのときを、家や博物館の片隅で、じっと待っていることでしょう。それらを読み解くことは、歴史に新たな光をあてたり、歴史像を大きく書き替えたりすることにつながる可能性をひらきます。

 この講座は、これまで古文書に触れたり、読んだりした経験をもたない方々を対象に、古文書を読むための基礎からはじめて、古文書(複写)を読んで内容を知り、それがつくられ、残された背景をさぐるなど、1点の古文書から歴史を読み解く楽しさを体感していただくことを目指しています。いわば、古文書講座の入門編です。4回の講座でどんな古文書もすらすら読めるようになる、などとは申しませんが、まずは古文書に親しんでみたい、ただ読むだけではなく、そこから歴史をのぞいてみたいという方々と一緒に、ゆっくり、じっくり古文書を読んでゆきたいと思っています。

 

【授業予定】

第一回:古文書を読むためのキホンのキ―歌川国芳「猫飼好五十三疋」―(鈴木担当)

第二回:近世の古文書を読む①―地誌「新編武蔵風土記稿」―(鈴木担当)

第三回:近世の古文書を読む②―近世の掲示板・高札―(鈴木担当)

第四回:近代の古文書を読む―地域有力者の手記にみる明治の多摩―(石居担当)

【参考図書】

鈴木直樹『近世関東の土豪と地域社会』(吉川弘文館、2019年)

児玉幸多編『漢字くずし方辞典 新装版』(東京堂書店、2019年)

油井宏子『古文書くずし字見わけかたの極意』(柏書房、2013年)

林英夫『基礎 古文書のよみかた』(柏書房、1998年)

講師

 

鈴木直樹(すずき なおき)

日本学術振興会特別研究員PD(中央大学)、専門は歴史学(日本近世史/地域史・村落史)

著書に『近世関東の土豪と地域社会』(吉川弘文館、2019年)。論文に「近世後期松代藩領における地域社会の再編と洪水」『信濃』第70巻第4号、2018年、「年中行事に見る山間村落の社会構造」渡辺尚志編『生産・流通・消費の近世史』勉誠出版、2016年、など。

 

石居人也(いしい ひとなり)

一橋大学大学院社会学研究科教授、専門は歴史学(日本近代史)。

著書に『創られた明治、創られる明治―「明治150年」が問いかけるもの―』(共編著、岩波書店、2018年)など。論文に「地域社会における文明開化の風景」(松尾正人編『近代日本成立期の研究』地域編、岩田書院、2018年)など。

  文学  

受付終了村上春樹を“いま”読み直す ☆☆(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第1土曜日(9/7、10/5、11/2、12/7)17:15〜18:45  会場:スペース・コウヨウ 5階

 村上春樹の中編・長編小説を読み解くことを通じて、現代日本の文化・社会・歴史の諸相について考えていきます。村上春樹のデビューは1979年で、今年はちょうど40年にあたりますが、彼はこの間、文学の歴史のみならず、日本の歴史そのものにぴったりと寄り添ってきました。彼の創作行為は、戦争やテロリズム、災害などのさまざまな社会的事件、ポップカルチャーを中心とするエンタメ系ジャンルの氾濫、サイバー空間を始めとする諸メディアの台頭、ノーベル文学賞をめぐる論議や文学のマーケットの消長など、多くの重要な問題に接近しています。村上春樹は、小説というコンテンツばかりでなく、それと相互交渉するさまざまな社会/文化(論)を同時に生産する存在なのです。将来、1980年代以後の文化に関し、村上春樹をめぐって大きな文化論的転回が発生した時代である、と位置づける歴史観が出現しても、別に不思議ではないと思えるほどです。

 本講座では、村上春樹のそういう位置を見すえながら、彼の中編・長編小説を読み解き、この社会のさまざまな現象に春樹作品がどうコミットしているのかを考えていきたいと思います。

【授業予定】

第1回 『風の歌を聴け』と虚構の時代――村上春樹はなぜ〝選ばれた作家〟となったのか
第2回 『1973年のピンボール』――可能世界と単独性
第3回 『ノルウェイの森』――トラウマと恋愛
第4回 村上春樹と1995年――阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件

【参考図書】

石原千秋『謎とき 村上春樹』(光文社新書)

加藤典洋『村上春樹イエローページ①』(幻冬舎文庫)

柄谷行人『探究Ⅱ』(講談社学術文庫)『終焉をめぐって』(講談社学術文庫)

講師

千田洋幸(ちだ ひろゆき)

東京学芸大学教授。日本近現代文学、ポップカルチャー、国語教育。
著書に、『テクストと教育――「読むこと」の変革のために』(溪水社)、『ポップカルチャーの思想圏――文学との接続可能性あるいは不可能性』(おうふう)、『危機と表象――ポップカルチャーが災厄に遭遇するとき』(おうふう)、共編著に『村上春樹と一九八〇年代』『村上春樹と一九九〇年代』『村上春樹と二十一世紀』(全ておうふう)などがある。

 

受付終了ゲーテの文学世界(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第4水曜日(9/25、10/23、11/27、12/25)19:15〜20:45  会場:スペース・コウヨウ 6階

 

 ヨーハン・ヴォルフガング・ゲーテ(1749~1832)の古典的文学テクストを読むことによって現在においてもなおそこから清新な知的刺激を得ることははたして可能なのでしょうか。あるいは「今さらながら、なぜゲーテなの?」というむなしい問いかけに結局は終わってしまうのでしょうか。このような問題を常に意識しながら、青年期、古典期、晩年のゲーテによる小説、戯曲、自伝的紀行文、詩というジャンルにわたる代表作を紹介します。そのなかで「今なおゲーテ!」という思いにいたるであろう読解のためのヒントとなるものを求めていきたいと思います

 第1回は世界観小説としての『若きウェルテルの悩み』、第2回は『ファウスト第1部』における〈女性〉、第3回は『イタリア紀行』と前近代的思考、第4回は『西東詩集』におけるイスラーム神秘主義を取り上げます。ゲーテのテクストとその具体的な「言葉遣い」を場合によってはドイツ語の原文を含めて(とはいえドイツ語をまったくご存じない方でも大丈夫です)なるべく多く紹介しながら授業を進めてまいります。

【授業予定】

第1回 泣き虫ウェルテル(『若きウェルテルの悩み』)
第2回 グレートヒェンのエロス(『ファウスト第一部』)
第3回 旅と占星術(『イタリア紀行』)
第4回 ペルシアの火蛾(『西東詩集』)

【参考図書】

『若きウェルテルの悩み』(竹山道雄訳)岩波文庫
『ファウスト第一部』(池内紀訳)集英社文庫
『イタリア紀行』(相良守峯訳)岩波文庫
柴田翔『詩に映るゲーテの生涯』鳥影社

講師

高橋明彦(たかはし あきひこ)
上智大学文学部ドイツ文学科教授、ドイツ文学・思想
著書に『ゲーテ「イタリア紀行」の光と翳(青土社 2011) 
『ニーチェ A嬢の物語』(青土社 2013)
『火蛾の詩学 ゲーテとイスラーム神秘主義』(朝日出版社 2017)
『哲学の戦場』(共著 行人社 2018)等

  社会学  

受付終了大学4年間の社会学が4回で分かる ☆(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第3金曜日(9/20、10/18、11/15、12/20) 19:15〜20:45 会場:スペース・コウヨウ5階

 

 本講座では『大学4年間の社会学が10時間で学べる』(角川書店)をテキストに、大学4年間で学ぶ社会学の概要を4回で紹介します。

 フランス革命後の混乱期、19世紀半ばに産声をあげた社会学は、20世紀を通して世界中に広がり、現在、人文社会科学の一領域として重要な位置を占めています。しかしその一方で、「社会」という漠然とした領域を研究対象とするため、その全体像や特徴は意外にもとらえがたいものとなっています。本講座は、社会学の理論と歴史の他に、家族、地域社会、産業・労働、文化など、社会学の主要領域をピックアップし、学問としての社会学の本質を分かりやすく解説することを目的としています。今日、日本社会は少子高齢化、グローバルな国際競争、国際情勢の変化の中で、大きな構造変動を経験しつつあるといわれています。本講座は、こうした現代の日本社会が抱える問題状況を「日本社会の奇跡の成功とその影」という観点から描き出すことにより、私たちの立ち位置、進むべき方向を考える一助としたいと考えています。

 授業では、担当講師が社会学の現状をレビューする一方、可能な限り、受講生の方々との質問や討議の時間を設けたいと思います。

 

【授業予定】

第1回 社会学の理論と歴史

第2回 家族と地域社会をとらえる社会学の視点:自由と拘束の空間

第3回 「日本人」はどのように働いてきたか?:経済成長の光と影

第4回 グローバル化の中の現代社会:日本社会の行方を考える

【参考図書】

『大学4年間の社会学が10時間で学べる』(角川書店)

講師

 

出口剛司(でぐち たけし)

東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了 博士(社会学)、立命館大学助教授、フランクフルト大学社会研究所客員研究員、明治大学准教授を経て現職。『エーリッヒ・フロム―希望なき時代の希望』(単著、新曜社、2002年)、『大学4年間の社会学が10時間で学べる』(単著、角川書店、2019年)、(共著)『作田啓一vs.見田宗介』(共著、2016年、弘文堂)、『Towards a Human Science: The Relevance of Erich Fromm for Today』(共著、2015年、Psychosozial-Verlag)、他。

人文学/Shibuya                 

  哲学  

受付終了アダム・スミスとヨーロッパ啓蒙 ☆☆(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第4月曜日(9月のみ第5月曜日)(9/30、10/28、11/25、12/23) 19:15〜20:45 会場:アクアミーティングスペース渋谷

 

 アダム・スミスは18世紀に活躍したスコットランド出身の啓蒙思想家で、「経済学の父」として知られ、英20ポンド紙幣の顔にもなっています。近年の研究では、近代経済学の礎を築いた人物としてのみならず、経済学をふくむ社会科学の総合的な体系を構築した社会哲学者としての側面が注目されるようになっています。

 この講座でも、「専門家」(経済学者)の域には収まらない「哲学者」としてのスミスに光をあて、その全体像を解説していきます。こうした視点は、第一にスミスを「啓蒙の世紀」と呼ばれる18世紀の大きな歴史的文脈のなかでとらえ返す見方につながります。ポストモダンをただ称揚するだけではすまなくなった現在、モダン(近代)の原点にある啓蒙思想を、単なる藁人形としてではなく批判的強度をもって再検討することが不可欠です。

 第二に、彼の社会哲学の体系全体をみすえながら『国富論』を理解することで、スミスの経済学が社会現象の分析ツールの集合体というより、近代化・産業化・文明化といった歴史のマクロな趨勢にかんするひとつのヴィジョンを映し出しているという論点が浮上してきます。

 啓蒙思想が提示した文明社会のヴィジョンを把握することは、翻って現代世界におけるグローバル化とその反動の問題にも重要な示唆をあたえることになるでしょう。

【授業予定】

第1回 アダム・スミスの道徳哲学
第2回 アダム・スミスの法哲学と歴史社会学
第3回 アダム・スミスの政治経済学
第4回 スコットランド啓蒙とヨーロッパ世界の拡大――ヒューム、スミス、ルソー

【参考図書】

アダム・スミス、水田洋・杉山忠平(訳)『国富論』1~4巻(岩波文庫、2000年)

瞠目卓生『アダム・スミス――『道徳感情論』と『国富論』の世界』(中公新書、2008年)

佐伯啓思『アダム・スミスの誤算』(中公文庫、2014年)

ジョン・ロバートソン、野原慎司・林直樹(訳)『啓蒙とはなにか――忘却された〈光〉の哲学』(白水社、2019年)

クリストファー・ベリー、田中秀夫(監訳)『スコットランド啓蒙における商業社会の理念』(ミネルヴァ書房、2017年)

講師

上野大樹(うえの ひろき) 
一橋大学社会学研究科研究員。京都大学にて博士号取得。専門は政治思想史。一橋大学、立正大学で講義を担当。これまで日本学術振興会特別研究員DC、同特別研究員PDを歴任、また青山学院大学、四日市大学、京都文教大学などで講義やゼミをおこなう。
論文に「アダム・スミスと政治哲学の革命」(『人文学報』107号、京都大学人文科学研究所)、「公共哲学としての政治哲学」(『思想』2019年3月号、岩波書店)等。共著に、大澤真幸編『3・11後の思想家25』(左右社)、『現代社会学事典』(弘文堂)、田中秀夫編『野蛮と啓蒙―経済思想史からの接近』(京都大学出版会)。


  音楽学  

※受付締切は9月28日(土)まで《ニーベルングの指環》を通して知るワーグナー (一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

水曜日(変則的な日程となっておりますのでご注意ください)(10/2、10/30、11/20、12/11)19:15〜20:45  会場:アクアミーティングスペース渋谷

 

 この講座は、作曲家リヒャルト・ワーグナーのことをみなさんに深く知っていただくための講座です。ワーグナーと言えば勿論オペラですが、主要な作品だけでも10作品あり、そのどれもが上演に3時間から5時間を要する大作です。全4回で構成される講座で、それらをすべて紹介することはおそらく不可能でしょう。そこで本講座では、あえて、超大作として知られる4部作の楽劇《ニーベルングの指環》を題材として、ワーグナーの人と作品に迫ってみようと思います。

 ワーグナーは、この作品の完成におよそ25年を要しました。端的に言って、《指環》を知れば、ワーグナーのことの大半は分かってしまいます。4部作とはすなわち、4つの楽劇――《ラインの黄金》《ワルキューレ》《ジークフリート》《神々の黄昏》――で全体が構成されているということです。従って、各回に一作品ずつ解説することで、全体を理解することができるようになります。

 ワーグナーが物語の典拠とした「神話」のことや、台本の特色、独特の作曲技法、そして創作・初演当時(19世紀後半)のドイツの社会的背景などについてもお話する予定です。映像資料を用いて、実際に作品を鑑賞しながらお話を進めてゆきます。

 

【授業予定】

第一回:序夜《ラインの黄金》――ロマン的オペラから楽劇へ:ドレスデンからチューリヒヘ

第二回:第1日《ワルキューレ》――チューリヒ時代のワーグナー

第三回:第2日《ジークフリート》――ミュンヘン〜トリープシェン時代のワーグナー

第四回:第3日《神々の黄昏》――バイロイト時代のワーグナー

 

【参考図書】

三宅幸夫『シシュフォスの神話――ワーグナー試論』、五柳書院、2014年。
山崎太郎『《ニーベルングの指環》教養講座――読む・聴く・観る!リング・ワールドへの扉』、アルテスパブリッシング、2017年。

講師

岡田安樹浩(おかだ・あきひろ)
1985年生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了。ワーグナーの《ニーベルングの指環》に関する論文で博士号取得。現在、桐朋学園大学、国立音楽大学、慶應義塾大学にて音楽史関連の講義を担当。日本ワーグナー協会理事。共編著書に『ニュクス』第3号(特集「なぜベートーヴェンか――音と思想が交叉する音楽家」、堀之内出版)、『《悪魔のロベール》とパリ・オペラ座――19世紀グランド・オペラ研究』(上智大学出版会)など。

人文学ゼミ/KUNITACHI         

 語学  

受付終了ラテン語を読んでみるII ☆☆(一般:12,000円/8回 学生:6,000円/8回)※定員20名・月2回開講 

第1・第3水曜 (9/4、9/18、10/2、10/16、11/6、11/20、12/4、12/18)19:15〜20:45 会場:スペース・コウヨウ 6階

 古代ローマ帝国で公用語として使われるようになったラテン語は、キリスト教の公用語として、さらには近代に至るまで学術、文学の領域で主要な言語として西洋世界を支え続けてきました。午前・午後をあらわすAMやPM、ウィルスやアドリブなど、私たちの身の回りでは少なからぬラテン語が使われていますが、そのことはつまり私たちの生活に西洋世界の文化が深く浸透しているということを意味します。ラテン語を学ぶことはそのような西洋世界の言語、文化、思想についてより深く理解する一助となるでしょう。

 本講座では、ラテン語初学者向けに編纂されたテキスト(神話や寓話など)を受講者の皆さんと一緒に読んでいきます。予めテキストをお配りしますので、事前に語彙や用法について調べておいていただき、授業ではその確認及び分からなかった単語や文法事項について解説していきます。

 受講にあたっては文法書を一通り終えていることが望ましくはありますが、名詞と形容詞の変化と用法、動詞の直説法についておおまかに把握している程度のレベルがあれば問題なく受講可能です。基本的な文法事項についても確認しながら進めていくので、気軽な気持ちで受講してみてください。

【授業予定】

第一回:「ラテン語で神話を読んでみる1」

「女神とセミ」(Musae et cicadae)(1)

第二回:「ラテン語で神話を読んでみる2」

「女神とセミ」(Musae et cicadae)(2)

第三回:「ラテン語で神話を読んでみる3」

「女神とセミ」(Musae et cicadae)(3)

第四回:「ラテン語で神話を読んでみる4」

「オルフェウスとエウリュディケ(Orpheus et Eurydice)(1)

第五回:「ラテン語で神話を読んでみる5」

「オルフェウスとエウリュディケ(Orpheus et Eurydice)(2)

第六回:「ラテン語で神話を読んでみる6」

「オルフェウスとエウリュディケ(Orpheus et Eurydice)(3)

第七回:「ラテン語で寓話を読んでみる1」

「イソップ童話」(Fabulae Aesopiae)(1)

第八回:「ラテン語で寓話を読んでみる2」

「イソップ童話」(Fabulae Aesopiae)(2)

 

【使用テキスト】

テキストは配布しますので教科書は指定しませんが、事前学習にあたって辞書が必要になりますので以下をご用意ください。

水谷智洋『羅和辞典〈改訂版〉』研究社、2009年。

講師

村上寛(むらかみ ひろし) 

日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)。立教大学、明治学院大学、上智大学非常勤講師(ラテン語科目)、早稲田大学非常勤講師。専門は西洋中世思想。(単著)『鏡・意志・魂―マルグリットと呼ばれるポレートとその思想』晃洋書房、2018年。(共著)「マルグリット・ポレートの神化思想―源流と波紋、水と火の比喩を中心に」(田島照久、阿部善彦編著『テオーシス―東方・西方教会における人間神化思想の伝統』教友社、2018年)、他。

  文学  

※途中からの受講が可能です『源氏物語』を読む ☆☆(一般:12,000円/8回 学生:6,000円/8回)※定員10名・月2回開講  

第1・第3金曜日 (9/6、9/20、10/4、10/18、11/1、11/15、12/6、12/20) 19:15〜20:45 

一部会場変更あり 会場:スペース・コウヨウ 3階 ※9/20のみ同6階

日本文学のなかで最も有名な作品のひとつである『源氏物語』ですが、実際に原文で読んだことのある人は多くないでしょう。学校の授業や試験に出た経験から、難しく堅苦しい、間違ってはいけないものというイメージをお持ちの方もいるかもしれません。ですが少しずつ気になる部分を見つけて読んでいけば、決して難しいものではありません。

本講座では、いくつかの注釈書を比較し参考にしながら、『源氏物語』を原文で少しずつ読んでいきます。適宜解説し、現代語訳も参照しますので、高校の古典に苦手意識を持っていた方でも大丈夫です。主人公であった光源氏が亡くなった後の、宇治を舞台とする宇治十帖を読んでいきます。今回は前期からの続きを読んでいきますが、それまでの部分についても説明しますので、初めての方でも安心してご参加になれます。

宇治十帖においては、真剣な主人公とアイロニカルな語りの落差がときに滑稽さを産み出します。これまで知らなかった『源氏物語』の魅力を見つけることができるでしょう。

 

【使用テキスト】

配布資料を使用。

市販のものであれば、角川ソフィア文庫『源氏物語 8巻』が安価です。​

講師

西原志保(にしはら しほ)

人間文化研究機構国立国語研究所研究員

専門は『源氏物語』を中心とした日本文学。著書に『『源氏物語』女三の宮の〈内面〉』(新典社新書)、論文に「女三の宮のことば―六条院の空間と時間」(『日本文学』2008年12月)ほか。

※講師インタビューはこちら 

  哲学  

受付終了ヘーゲル『精神現象学』を読む ☆☆☆(一般:12,000円/8回 学生:6,000円/8回)※定員10名・月2回開講

第2・第4金曜日(最終回のみ第3金曜) 19:15〜20:45

日程変更あり(9/13、9/27、10/11、10/2511/1、11/8、11/22、12/13、12/20) 

会場:スペース・コウヨウ 6階

 

この人文ゼミでは、前期に引き続きヘーゲル『精神現象学』を実際に読みながら、担当講師による 解説と、受講者相互の議論を通じて、理解を深めていきます。『精神現象学』は1807年に出版されたヘーゲルの主著であり、哲学史上の著作の中でもとくに難解なことで知られていますが、専門家の手引きがあれば、予備知識のない読者でも十分読み進めていくことができます。今期は「理性章」の「A.観察する理性」から読み進めます。ここではヘーゲルの同時代の自然科学やカントの生命観が批判されます。この箇所の読解を通じて、ヘーゲル哲学における理性の役割だけでなく、現代の科学についても考察してみたいと考えています。最初の回にこれまでの概要の解説、加えて適宜哲学史の解説を行いますので、初めての方も安心して受講していただけます。

 

【使用テキスト】

『精神現象学』の翻訳は、講師による日本語訳を配布します。
既存の翻訳を手元に置いておきたい方は以下のものが比較的安価で定評があります。
樫山欽四郎訳、『精神現象学 上』、平凡社ライブラリー、1997年
また、最近刊行された最新の翻訳も大変参考になります。
熊野純彦訳、 『精神現象学 上』、ちくま学芸文庫、2018年。

講師

大河内 泰樹(おおこうち たいじゅ)
一橋大学大学院社会学研究科教授。国立人文研究所代表。
著書に、『人文学と制度』(共著、未來社、2013年)、『政治において正しいとはどういうことか』(共著、勁草書房、2019年)、訳書にミヒャエル・クヴァンテ『カール・マルクスの哲学』(共訳、リベルタス出版、2019年)、ジュディス・バトラー『欲望の主体 二〇世紀フランスにおけるポスト・ヘーゲル主義』(共訳、堀之内出版、2019年) など。