20219月期開講講座

【注意事項】

こちらの講座はすべてオンラインでの実施となります。

全講座でYoutubeにて見逃し配信がございます。(受講生限定、次回の講座までの期間)

受講を希望される場合は、各講座ごとの受付ページでのお申し込みをお願いいたします。

​講座のレベル ※あくまで目安としてお考えください。

☆・・・その分野について関心があり、これから学んでみようと思う方

☆☆・・・その分野についてより深く学んでみたい方

☆☆☆・・・普段からその分野によく親しんでいる方

人文学/Online     

  哲学  

天使の哲学:西洋中世哲学へのいざない(全4回) 

初回日時: 2021年9月4日(土) 14:00 - 15:30
日程:9月‐12月の第1土曜日(9/4、10/2、11/6、12/4)14:00 - 15:30
【他KUNILABO講座と講座の時間が異なりますのでご注意ください】 
場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費: 全4回 一般8,000円/学生4,000円

受講のお申し込みはこちらから。

 みなさん、天使というとどのようなイメージをお持ちでしょうか。かわいい羽のついた子供の姿を思い浮かべられる方も多くいらっしゃるかもしれません。実は、中世哲学ではこの天使について盛んに議論されていました。この講座ではこの「天使」に注目することで中世哲学の入門を目指します。宗教的には天使とは「(神からの)使者」を意味しますが、スコラ学者たちは天使を哲学的にも論じていました。たとえば天使博士の異名でも知られるトマス・アクィナスは、自らの主著『神学大全』で天使についての諸問題を天使の実体、知性、意志、創造という四つの領域に分けて論じています。こうした区分からわたしたちは天使の存在論、認識論、倫理学を取り出すことが可能です。その総体をここでは「天使の哲学」と呼んでおくことにします。
 天使の哲学において重要なのは、天使については神や人間とのちがいが常に問われているということです。天使の哲学は単に天使という不可思議な存在者について解明するだけのものではありません。むしろそこでは人間について考えるという哲学的な動機も読み取ることができます。西洋中世哲学を最も特徴づけるものの一つである天使を媒介にして、人間とは何かという大きな問題に中世哲学がどのように応答しようとしているのかをいっしょに見ていきましょう。

本講座は、博士による人文知提供のプラットフォーム「クェス(QeS: Quid est Sapientia)」の協力講座です。

 

【各回の予定】

第一回: 天使はなぜいるのか――天使の存在証明
第二回: 天使はどのように存在しているのか――天使と身体性
第三回: 天使は何を知っているのか――天使の認識論
第四回: 天使はどのように意志するのか――天使と悪魔の倫理学

【参考文献】

フィリップ・フォール『天使とはなにか』片木智年=訳、せりか書房、1995年
稲垣良典『天使論序説』、講談社学術文庫、1996年
モーティマー・J・アドラー『天使とわれら』稲垣良典=訳、講談社学術文庫、1997年
岡田温司『天使とは何か』、中公新書、2016年
ピーター・スタンフォード『天使と人の文化史』白須清美=訳、原書房、2020年

【講師】

石田隆太(いしだ りゅうた)
筑波大学にて博士(文学)を取得後、慶應義塾大学やフリブール大学(スイス)でのポスドクを経て、現在は東洋大学ほか非常勤講師、慶應義塾大学訪問研究員。専門は西洋中世哲学。
博士論文の題目は『トマス・アクィナスの個体化理論』(筑波大学、2018年)。共訳書に『デカルト全書簡集 第四巻』(知泉書館、2016年)。最近の論文としては「ペトルス・ヨハニス・オリヴィと個体化の問題」(『中世思想研究』62号、2020年)、「諸天体と諸天使の種別化:トマス・アクィナスと種の理論」(『哲学』(三田哲学会)145集、2020年)、「フランシスコ・スアレスと諸天使の種別化:トマス説に対する或るイエズス会士の立場」(『哲学・思想論叢』38号、2020年)など。

  哲学  

エルネスト・ラクラウとシャンタル・ムフを読む――ラディカル・デモクラシー入門講義(全4回) ☆☆

初回日時: 2021年9月24日(金) 19:30 - 21:00
日程:9月‐12月の第4金曜日(9/24、10/22、11/26、12/24)
場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費: 全4回 一般8,000円/学生4,000円

受講のお申し込みはこちらから。

 近年、民主主義に関する概説書の刊行が相次ぎました。この間、英国のEU離脱やドナルド・トランプ前大統領のようなポピュリズムが話題となり、さらに2020年以後のパンデミックの状況を受けて、これまで当然視されてきた自由民主主義の諸前提があらためて問い直されているのではないでしょうか。
 本講座では、現代の自由民主主義を根本から再検討した民主主義論として、エルネスト・ラクラウとシャンタル・ムフの「ラディカル・デモクラシー」を取り上げます。ラクラウとムフの思想は、それが政治思想から現代思想、マルクス主義や精神分析にまたがることから、一人で読み解くのはなかなか骨が折れる作業です。本講義は彼らの思想のポイントをできるだけ簡潔に提示し、その可能性と問題点を合わせて紹介することを目的としています。
 各講義では『民主主義の革命』や『現代革命の新たな考察』、さらには『ポピュリズムの理性』、『左派ポピュリズムのために』といった彼らの主要著作について解説し、また、ジュディス・バトラーやスラヴォイ・ジジェク、そしてネグリ=ハートといった同時代人との論争にも触れながら、ラディカル・デモクラシーの現代的な意義について考えていきます。

【各回の予定】

第一回: 『民主主義の革命』を読む(1)
第二回: 『民主主義の革命』を読む(2)
第三回: 『現代革命の新たな考察』とEmancipation(s)を読む
第四回: 『ポピュリズムの理性』と『左派ポピュリズムのために』を読む

【参考文献】

山本圭『現代民主主義――指導者論から熟議、ポピュリズムまで』(中公新書)
山本圭『アンタゴニズムス――ポピュリズム〈以後〉の民主主義』(共和国)
山本圭『不審者のデモクラシー――ラクラウの政治思想』(岩波書店)
エルネスト・ラクラウ、シャンタル・ムフ『民主主義の革命』(西永亮・千葉眞訳、ちくま学芸文庫)
エルネスト・ラクラウ『現代革命の新たな考察』(山本圭訳、法政大学出版局)
エルネスト・ラクラウ『ポピュリズムの理性』(澤里岳史・河村一郎訳、明石書店)
シャンタル・ムフ『左派ポピュリズムのために』(山本圭・塩田潤訳、明石書店)

【講師】

山本圭(やまもと けい)
1981年京都府生まれ。名古屋大学大学院国際言語文化研究科単位取得退学。博士(学術)。岡山大学講師などを経て、現在、立命館大学法学部准教授。専攻は現代政治理論、民主主義論。著書に『不審者のデモクラシー』(岩波書店)、『アンタゴニズムス―ポピュリズム〈以後〉の民主主義』(共和国)、『現代民主主義』(中公新書)など多数。

  文学  

フェミニズムSFの名作を読む(全4回) 

初回日時: 2021年9月9日(木) 19:30 - 21:00
日程:9月‐12月の第2木曜日(9/9、10/14、11/11、12/9)
場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費: 全4回 一般8,000円/学生4,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 SFやファンタジーの世界では、現実の枠組みにとらわれない自由な発想があります。
 性差別という社会問題を考えるフェミニズムSFの名作が多いのも、そのためでしょう。
 本講義では、アーシュラ・K・ル=グウィン『闇の左手』、ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「男たちの知らない女」、マーガレット・アトウッド『侍女の物語』、萩尾望都『スター・レッド』を取り上げ、現代社会へ投げかけられた様々な問題提起を通して、フェミニズム理論についての理解を深めていきます。

 

【各回の予定】

第一回:  両性具有ロマンスからBL小説へ
第二回:  男のスタンダード、女のスタンダード
第三回:  ディストピア小説に見る妊娠と出産
第四回:  ジャンルSFにおける超能力と女性的な宇宙観

【使用テクストと取り上げる主題】
アーシュラ・K・ル=グウィン『闇の左手』小尾芙佐訳、ハヤカワ文庫SF。

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「男たちの知らない女」伊藤典夫訳(『愛はさだめ、さだめは死』ハヤカワ文庫SF所収)。

マーガレット・アトウッド『侍女の物語』斎藤英治訳、ハヤカワepi文庫。(第三回)

マーガレット・アトウッド『誓願』早川書房。→妊娠と出産をめぐる問題系(第三回)
萩尾望都『スター・レッド』小学館文庫。(第四回)

 

【参考図書】

上野千鶴子『女ぎらい』朝日文庫。
小谷真理『女性状無意識』勁草書房。
エレイン・ショーウォーター編『新フェミニズム批評』青山誠子訳、岩波書店。
永久保陽子『やおい小説論――女性のためのエロス表現』専修大学出版局。
マーリーン・S・バー『男たちの知らない女』小谷真理・鈴木淑美・栩木玲子訳、勁草書房。

 

【講師】

小谷真理(こたに まり)

SF&ファンタジー評論家。1958 年生まれ。フェミニズム的な観点に基づくSF・ファンタジー評論の第一人者として活発な活動を続けている。92年、共訳書『サイボーグ・フェミニズム』で第2回日本翻訳大賞思想部門受賞。94年、『女性状無意識―女性SF論序説―』で第15回日本SF大賞受賞。著書に『テクノゴシック』『星のカギ、魔法の小箱―小谷真理のファンタジー&SF案内―』など。

  文学  

『8月の果て』を読む―在日朝鮮人文学の隘路を超えるために―(全4回) 

初回日時: 2021年9月16日(木) 19:30 - 21:00
日程:9月‐12月の第3木曜日(9/16、10/21、11/18、12/16)
場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費: 全4回 一般8,000円/学生4,000円

受講のお申し込みはこちらから。

 『JR上野駅公園口』(河出書房新社、2014)の全米図書賞受賞で、ますます国際的な評価を高めている柳美里。2004年に出版された大作『8月の果て』(新潮社)も、英訳が刊行されたことを契機に日本でも文庫版が再刊されることとなりました。
 柳美里は在日コリアンであることから、デビュー当時新たな在日朝鮮人文学(本講座では、朝鮮半島にルーツを持つ者の書いたすべての文学を指してこの語を用いています)の担い手として多くの期待を寄せられました。ですが本人は、自身の作品が在日朝鮮人文学に包括されることを拒みました。そうこうしているうちに、「在日朝鮮人文学は終わった」と言われるようになり、研究や批評に大きな進展が見られないまま今に至っています。終わったとは私はまったく考えていませんが、「在日朝鮮人文学」が持っていた評価の視点に多くの問題があったと考えています。というのもその視点は、当初から終焉が運命づけられているようなものだったからです。新たな視点こそが今、必要です。そして、柳美里の文学からその視点を生み出すことができると、私は考えています。
 本講座では、こうした立場から、柳美里『8月の果て』の一部を読みます。『8月の果て』は、マラソンランナーであった作者の祖父を軸として、朝鮮半島の近代史と家族史をより合わせるようにして書かれた重厚な作品です。これまで民族性を前面に押し出していなかった柳美里が、朝鮮半島の歴史に向き合ったほとんど初めての作品ということになるでしょう。講座では特に、「従軍慰安婦」にされてしまった少女・英姫と、「アリラン」の語源とも言われる民話上の少女・阿娘に焦点を当て、柳美里が〈民族〉の記憶としての少女たちをどのように描いたのか検討していきましょう。

【各回の予定】

第一回: 在日朝鮮人文学の隘路
第二回: 『8月の果て』の少女たち①―英姫と創氏改名
第三回: 『8月の果て』の少女たち②―阿娘と〈恨〉
第四回: 「期待に沿わない」という方法

 

【参考図書】

水野直樹・文京洙『在日朝鮮人 歴史と現在』岩波新書、2015
磯貝治良『〈在日〉文学論』新幹社、2004
原仁司編『柳美里1991-2010』翰林書房、2011
柳美里・榎本正樹「ロングインタビュー 死者=歴史の声に耳を澄ます―『8月の果て』を走り抜けて―」『新潮』2004・9

 

【講師】

康 潤伊(かん ゆに)
朝鮮大学校から早稲田大学大学院を経て、現在創価大学助教。博士(学術)。専門は在日朝鮮人文学、日本近現代文学。主要業績は、編著『わたしもじだいのいちぶです―川崎桜本・ハルモニたちがつづった生活史―』(日本評論社、2018)、論文「となりあう承認と排除―ヤン ヨンヒ『朝鮮大学校物語』論―」(『日本近代文学』101集、2019)など。

  美術  

「映え(ばえ)」と建築:西洋建築における空間演出コードの史的読解(全4回) ☆

初回日時: 2021年9月3日(金) 19:30 - 21:00
日程:9月‐12月の第1金曜日(9/3、10/1、11/5、12/3)
場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費: 全4回 一般8,000円/学生4,000円

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「インスタ映え」という表現、あるいは「映え」は、いまや価値判断基準として定着した感がある。建築に関しても、世界的に名高いニューヨーク近代美術館(MoMA)主催の設計競技において「インスタグラム映え(Instagramable)」が主要な条件として提示されていたりする。参加者は、インスタグラマーよろしく、立派にみえたり見栄えよくうつったり目立ったりするように工夫を凝らしたデザインを行い、建築案の「映え」を競い合うというわけだ。
 建築に限らず、そうした「映え」の競い合いは、傍からみれば、他者からの共鳴ないし共感を示す「いいね」を獲得するために、「手練手管」を弄しているに過ぎないなどとする批判もあろう。
 けれども、「手練手管」とみなされかねない「映え」の工夫、建築の場合、人を欺いたり虜にしたりするような空間上の演出の歴史は長い。西洋建築の始まりを告げる古代ギリシア建築以来、積極的になされてきた傾向にある。歴史を振り返ってみれば、「映え」の工夫としての空間演出こそ、西洋建築の華麗な展開を牽引してきたといっても過言ではないだろう。
 そこで、本講座では、「映え(ばえ)」と建築と題し、古代ギリシア建築を手始めに、西洋建築史の中でも、特に「映え」を狙って空間演出が施されたと判断されうる時代様式の建築を取り上げる。そして、それぞれの空間演出上のコード(方法や規則)を読み解き、意図された「映え」の特性を明らかにしていきたい。

本講座は、博士による人文知提供のプラットフォーム「クェス(QeS: Quid est Sapientia)」の協力講座です。

 

【各回の予定】

第一回: ガイダンス・「古典古代映え」——古代ギリシア建築にみる原初的な「映え」
第二回: 「スポリア(盗用)映え」——初期キリスト教建築にみる両義的な「映え」
第三回: 「透視図法(遠近法)映え」——ルネサンス建築にみる絵画的な「映え」
第四回: 「対抗(反)宗教改革映え」——バロック建築にみる劇場的な「映え」

【参考図書】

アルベルティ, レオン・バッティスタ:『建築論』相川浩訳, 中央公論美術出版, 1982年.
ウィトルウィウス:『ウィトルーウィウス建築書』森田慶一訳, 東海大学出版会, 1979年.
久保友香:『「盛り」の誕生-女の子とテクノロジーが生んだ日本の美意識-』太田出版, 2019年.
パノフスキー, エルヴィン:『<象徴形式>としての遠近法』木田元監訳, 筑摩書房, 2009年.
バルトルシャイティス, ユルギス:『アナモルフォーズ-光学魔術-』高山宏訳, 国書刊行会, 1992年.
マノヴィッチ, レフ:『インスタグラムと現代視覚文化論-レフ・マノヴィッチのカルチュラル・アナリティクスをめぐって-』久保田晃弘ほか編訳, ビー・エヌ・エヌ新社, 2018年.

 

【講師】

三木 勲(みき いさお)
西洋建築史・近代建築史
京都工芸繊維大学工芸科学研究科造形科学専攻博士後期課程修了 博士(学術)
京都芸術大学・大学院、京都美術工芸大学、摂南大学非常勤講師
論文に「アルベルティの建築理論における表現媒体を示す言葉と概念についての研究 : 建築設計における透視図法の本来の意義をめぐって」(『日本建築学会計画計論文集』85(776)、 2020年10月)や「第5章 坂倉準三が戦時下で思い描いた「輝く都市」―「忠霊塔都市計画」に埋もれた「ル・コルビュジエ的なもの」」(中川理+空想から計画へ編集委員会(編):『空想から計画へ : 近代都市に埋もれた夢の発掘』思文閣出版, 2021年3月)など

人文学ゼミ/Online     

  歴史  

古文書ワークショップ(全4回) ☆

初回日時: 2021年9月10日(金) 19:30 - 21:00
日程:9月‐12月の第2金曜日(9/10、10/8、11/12、12/10)
場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費: 全4回 一般8,000円/学生4,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 破れかけた和紙、ミミズがのたうったような筆文字、漢字か ひらがなか カタカナか、そもそもどれが一文字なのかもわからない――古文書(こもんじょ)に、こんなイメージをお持ちではないでしょうか。多くの方にとって古文書は、テレビの画面越しに、あるいは博物館のガラスケースをはさんで「触れる」程度の、縁遠いものかも知れません。
 歴史を探ろうとするとき、その重要な手がかりとなる史料(歴史資料)は、しばしば古文書です。全国各地には、いまも大量に未整理の古文書が残されています。それらを読み解くことは、歴史に新たな光をあてたり、歴史像を大きく書き替えたりすることにつながる可能性をひらきます。
 この講座は、これまで古文書に触れたり、読んだりした経験をもたない方々を対象に、古文書を読むための基礎からはじめて、古文書を読んで内容を知り、それがつくられ、残された背景をさぐるなど、1点の古文書から歴史を読み解く楽しさを体感していただくことを目指しています。いわば、古文書講座の入門編です。今回の講座では、徳川御三卿の一つ、清水家に仕えた村尾嘉陵が江戸近郊にある名所・旧蹟の様子を書いた『江戸近郊道しるべ』を読む予定です。最終回は、受講者のリクエストを聞きながらテキストを決めていきます。4回の講座でどんな古文書もすらすら読めるようになる、などとは申しませんが、まず古文書に親しんでみたい、ただ読むだけではなく、そこから歴史をのぞいてみたいという方々と一緒に、ゆっくり、じっくり古文書を読んでいきたいと思っています。

 

【各回の予定】

第一回: 古文書を読むためのキホンのキ―江戸時代の教科書を読む
第二回: 江戸近郊の紀行文を読む①
第三回: 江戸近郊の紀行文を読む②
第四回: 江戸時代の古文書を読む(リクエストに応えて)

 

【参考図書】

鈴木直樹『近世関東の土豪と地域社会』(吉川弘文館、2019年)
児玉幸多編『漢字くずし方辞典 新装版』(東京堂書店、2019年)
油井宏子『古文書くずし字見わけかたの極意』(柏書房、2013年)
林英夫『基礎 古文書のよみかた』(柏書房、1998年)

【講師】

鈴木直樹(すずき なおき)
中央大学大学史資料課嘱託職員、専門は歴史学(日本近世史/地域史・村落史)
著書に『近世関東の土豪と地域社会』(吉川弘文館、2019年)『藩地域の環境と藩政』(共著、岩田書院、2020年)。論文に「宝永地震後の復旧・開発過程と地域社会」(小酒井大悟・渡辺尚志編『近世村の生活史』清文堂出版、2020年)など。

 

  語学  

初級ラテン語III(全8回)  ※月2回開講 

初回日時: 2021年9月8日(水) 19:30 - 21:00
日程:9月‐12月の第2・第4水曜日(9/8、9/22、10/13、10/27、11/10、11/24、12/8、12/22)
場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費: 全8回 一般16,000円/学生8,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 古代ローマ帝国で公用語として使われるようになったラテン語は、キリスト教の公用語として、さらには近代に至るまで学術、文学の領域で主要な言語として西洋世界を支え続けてきました。午前・午後をあらわすAMやPM、ウィルスやアドリブなど、私たちの身の回りでは少なからぬラテン語が使われていますが、そのことはつまり私たちの生活に西洋世界の文化が深く浸透しているということを意味します。ラテン語を学ぶことは単にイタリア語やフランス語の直接の先祖である言語を学ぶことにとどまらず、私たちの間に深く根付いた西洋世界の言語、文化、思想についてより深く理解する一助となるでしょう。
 本講座では、簡単なラテン語を理解出来るようになることを目指して基礎文法を学んでいきます。「初級ラテン語Ⅰ」と「初級ラテン語Ⅱ」で名詞および形容詞の変化、動詞の活用、分詞について一通り学びましたので、本講座から受講される方は以上の文法事項の学習経験があることが望ましくはありますが、なんとなくラテン語に触れてみたいというような未経験の方でも受講可能です。
 ラテン語は難しい言語というイメージがありますが、文法がかっちりしているため、構造が分かればむしろパズルのようにわかりやすい言語です。課題による復習も行いつつ(必修ではありません)、理解度を確認しながら先に進んでいきますので、分かることを楽しみながら学んでいきましょう。

※こちらの講座は、2021年4月期講座「初級ラテン語II」と連続する内容となっておりますが、今期からの受講も可能です。
本講座は、博士による人文知提供のプラットフォーム「クェス(QeS: Quid est Sapientia)」の協力講座です。

【各回の予定】

第一回:形容詞・副詞の比較
    形容詞および副詞の比較級、最上級の変化と用法について学びます。
第二回:命令法
    命令法の活用と用法について学びます。
第三回:接続法(1)
    接続法の活用と用法について学びます。
第四回:接続法(2)
    条件文など、引き続き接続法の用法について学びます。
第五回:関係代名詞
    関係代名詞の変化と用法について学びます。
第六回:動名詞、動形容詞
    動名詞および動形容詞の変化と用法について学びます。
第七回:不定詞
    不定法の活用および対格不定詞節の用法について学びます。
第八回:非人称動詞、独立奪格
    非人称動詞および独立奪格の用法について学びます。

 

【使用テキスト】

河島思朗『基本から学ぶラテン語』ナツメ社、2016年(教科書となりますのでご購入ください)

【参考図書】
水谷智洋(編)『羅和辞典<改訂版>』研究社、2009年

山下太郎『しっかり学ぶ初級ラテン語』ベレ出版、2013年
松平千秋、国原吉之助『新ラテン文法』東洋出版、1990年

【講師】

村上寛(むらかみ ひろし)
博士(文学)。立教大学、明治学院大学、上智大学非常勤講師(ラテン語科目)。専門は西洋中世思想。(単著)『鏡・意志・魂―ポレートと呼ばれるマルグリットとその思想』晃洋書房、2018年。(共著)「マルグリット・ポレートの神化思想―源流と波紋、水と火の比喩を中心に」(田島照久、阿部善彦編著『テオーシス―東方・西方教会における人間神化思想の伝統』教友社、2018年)、他。クェス(QeS: Quid est Sapientia)代表。

  語学  

ラテン語を読んでみるV(全8回) ☆☆ ※月2回開講 

初回日時: 2021年9月1日(水) 19:30 - 21:00
日程:9月‐12月の第1・第3水曜日(9/1、9/15、10/6、10/20、11/3、11/17、12/1、12/15)
場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費: 全8回 一般16,000円/学生8,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 本講座では、オウィディウス『変身物語』(Metamorphoses)を受講者の皆さんと一緒に読んでいきます。西洋の文学や藝術作品に絶大な影響を及ぼし、私たちの文化でも至る所で目にするギリシャ・ローマ神話の集大成とも言うべき作品をラテン語で読んでみましょう。 本講座では、『英雄伝』として親しまれているネポス(前100頃~前25年頃)による『著名な人物たち』(De viris illustribus)から、マンガ『ヒストリエ』の主人公でもあるエウメネスの伝記を受講者の皆さんと一緒に読んでいきます。『英雄伝』は比較的平易なラテン語として初学者向けのテキストとしてもよく使用されている著作ですので、ラテン語の文法は学んだことがあるが長い文章は読んだことがないというような方はもちろん、文法は少し学んだ程度だがラテン語の文章に触れてみたいといった方まで広く受講していただけます。
 本講座では予めテキストをお配りしますので、事前に語彙や用法について調べておいていただき、授業では一語一語確認しながら分からなかった単語や文法事項について解説していきます。事前に調べておいていただくことは必須ではありませんので、可能な範囲で単語を調べたり訳文を考えたりしながら「ラテン語を読んでみる」ことを楽しんでみてください。

※こちらの講座は、2021年4月期講座「ラテン語を読んでみるIV」と連続する内容となっておりますが、今期からの受講も可能です。
本講座は、博士による人文知提供のプラットフォーム「クェス(QeS: Quid est Sapientia)」の協力講座です。

【各回の予定】

第一回:ネポス『英雄伝』を読む 1
第二回:ネポス『英雄伝』を読む 2
第三回:ネポス『英雄伝』を読む 3
第四回:ネポス『英雄伝』を読む 4
第五回:ネポス『英雄伝』を読む 5
第六回:ネポス『英雄伝』を読む 6
第七回:ネポス『英雄伝』を読む 7
第八回:ネポス『英雄伝』を読む 8

 

【使用テキスト】

テキストは配布しますので教科書は指定しませんが、事前学習にあたって辞書が必要になりますので以下をご用意ください。
水谷智洋(編)『羅和辞典<改訂版>』研究社、2009年

【参考図書】
松平千秋、国原吉之助『新ラテン文法』東洋出版、1990年

 

講師

村上寛(むらかみ ひろし)

博士(文学)。立教大学、明治学院大学、上智大学非常勤講師(ラテン語科目)。専門は西洋中世思想。(単著)『鏡・意志・魂―ポレートと呼ばれるマルグリットとその思想』晃洋書房、2018年。(共著)「マルグリット・ポレートの神化思想―源流と波紋、水と火の比喩を中心に」(田島照久、阿部善彦編著『テオーシス―東方・西方教会における人間神化思想の伝統』教友社、2018年)、他。クェス(QeS: Quid est Sapientia)代表。

  文学  

『源氏物語』を読む(全8回) ☆☆ ※月2回開講  

初回日時: 2021年9月2日(木) 19:30 - 21:00
日程:9月‐12月の第1木曜日・第3金曜日(9/2、9/17、10/7、10/15、11/4、11/19、12/2、12/17)
場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費: 全8回 一般16,000円/学生8,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 日本文学のなかで最も有名な作品のひとつである『源氏物語』ですが、実際に原文で読んだことのある人は多くないでしょう。学校の授業や試験に出た経験から、難しく堅苦しい、間違ってはいけないものというイメージをお持ちの方もいるかもしれません。ですが少しずつ気になる部分を見つけて読んでいけば、決して難しいものではありません。
 本講座では、いくつかの注釈書を比較し参考にしながら、『源氏物語』を原文で少しずつ読んでいきます。適宜解説し、現代語訳も参照しますので、高校の古典に苦手意識を持っていた方でも大丈夫です。主人公であった光源氏が亡くなった後の、宇治を舞台とする宇治十帖を読んでいきます。今回は2021年4月期からの続きを読んでいきますが、それまでの部分についても説明しますので、初めての方でも安心してご参加になれます。現在は総角巻を読み進めています。
 宇治十帖においては、真剣な主人公とアイロニカルな語りの落差がときに滑稽さを産み出します。これまで知らなかった『源氏物語』の魅力を見つけることができるでしょう。

※こちらの講座は、2021年4月期講座「『源氏物語』を読む」と連続する内容となっておりますが、今期からの受講も可能です。

【使用テキスト】

特に指定はしませんが、何らかのテキストをご準備いただけますと助かります。
文庫であれば、角川文庫(8巻以降)岩波文庫(7巻以降)があります。

【講師】

西原志保(にしはら しほ)
共愛学園前橋国際大学、大東文化大学非常勤講師。博士(文学)。前橋国際大学、大東文化大学、東洋学園大学非常勤講師。ジェンダー論、動物/人形/植物表象などの観点から日本文学作品を考察する。著書に『『源氏物語』女三の宮の〈内面〉』(新典社新書、2017年)

 

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  哲学  

ヘーゲル『精神現象学』を読む(全8回) ☆☆☆ ※月2回開講

初回日時: 2021年9月13日(月) 19:30 - 21:00
日程:9月‐12月の第2・第4月曜日【12月は第2・第3月曜日】
(9/13、9/27、10/11、10/25、11/8、11/22、12/13、12/20)
場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費: 全8回 一般16,000円/学生8,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 

 この人文学ゼミでは、前期に引き続きヘーゲル『精神現象学』を実際に読みながら、担当講師による解説と、受講者相互の議論を通じて、理解を深めていきます。『精神現象学』は1807年に出版されたヘーゲルの主著であり、哲学史上の著作の中でもとくに難解なことで知られていますが、専門家の手引きがあれば、予備知識のない読者でも十分読み進めていくことができます。
 今期は「理性章」の「C. 即かつ対自的に自らにとって実在的となった個体性」のいわゆる「b. 立法的理性」および「c.査法的理性」からはじめ、いよいよ精神章に入ります。
「立法的理性」と「査法的理性」ではヘーゲルのカント道徳論批判が展開されます。カント哲学は、ヘーゲル哲学の重要な源泉であると同時に、最大の批判対象です。ヘーゲルがカントの道徳論をどのように批判し、そしてヘーゲルがカントの道徳性に代わるものとして提示する人倫というものがどのようなものなのか見ていきたいと思います。
 最初の回にこれまでの概要の解説、加えて適宜哲学史の解説を行いますので、初めての方も安心して受講していただけます。

【使用テキスト】

『精神現象学』の翻訳は、講師による日本語訳を配布します。
既存の翻訳を手元に置いておきたい方は以下のものが比較的安価で定評があります。
樫山欽四郎訳、『精神現象学 上』、平凡社ライブラリー、1997年。
また、最近刊行された最新の翻訳も大変参考になります。
熊野純彦訳、 『精神現象学 上』、ちくま学芸文庫、2018年。

 

【参考文献】

ソポクレース『アンティゴネー』中務哲郎訳、岩波文庫、2014年

ソポクレス『オイディプス王』岩波文庫、藤沢令夫訳、岩波文庫、1967年

【講師】

大河内 泰樹(おおこうち たいじゅ)

京都大学大学院文学研究科教授。国立人文研究所代表。
著書に、『資本主義と危機』(共著、岩波書店、2021年)『政治において正しいとはどういうことか』(共著、勁草書房、2019年)、訳書にミヒャエル・クヴァンテ『カール・マルクスの哲学』(共訳、リベルタス出版、2019年)ジュディス・バトラー『欲望の主体 二〇世紀フランスにおけるポスト・ヘーゲル主義』(共訳、堀之内出版、2019年)など。 

 

  哲学  

ウィトゲンシュタイン『哲学探究』を(あなたの自叙伝として)読む(全8回) ☆☆☆ ※月2回開講【7月29日追加】

初回日時: 2021年9月14日(火)19:30 - 21:00
日程:9月‐12月の第2火曜日・第4木曜日【9月のみ第2火曜日・第5木曜日】
(9/14、9/30、10/12、10/28、11/9、11/25、12/14、12/23)
場所: オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費: 全8回 一般16,000円/学生8,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 『哲学探究』——それは一見すると「オチのない書物」です。いつだったかはっきりしませんが、私が手元でこの本を弄びながらある友人(研究者ではありません)と喋っていました。すると好奇心の強いその友人は、「ちょっと読ませて」と言い、『探究』を手に取りそれを冒頭からゆっくりと読み始めたのです。私は彼女の反応を伺っていました。彼女は、しばらくは辛抱強く1行ずつを読み進めていましたが、あるところまで来ると、急に何かを探すような手つきでバサバサとページをめくり始めました。そして全体の半分もめくらないうちに、絶望しきった表情で、「何をしたいのかわからない」とつぶやきました。
 私は彼女より容量の悪い人間で、バサバサとページをめくることも、全体の半分もめくらないうちに当該の書物から離脱することもできていません。そして、「何をしたいのかわからない」という判断を一生先延ばしにしようとしています。しかしそのおかげで、『哲学探究』において私自身が何をしたいのかは少しずつわかるようになってきました。講座に関心を持った皆さんにも、『哲学探究』があなたに何かを言わせようとするテクストであるということを、一緒に体験できるようになればと思います。

 

【使用テキスト】

L. ウィトゲンシュタイン、『哲学探究』、鬼界彰夫訳、講談社、2020年。

 

【参考文献】

Wittgenstein, Ludwig: Philosophische Untersuchungen = Philosophical Investigations, G. E. M. Anscombe, P.M.S. Hacker and J. Schulte (trans.), Rev. 4th ed., Wiley-Blackwell, 2009.

L. ウィトゲンシュタイン、『哲学探究』、丘沢静也訳、岩波書店、2013年。
——、『ウィトゲンシュタイン『哲学的探求』』、黒崎宏解説・訳、第一部第二部、産業図書、1994-5年。
——、『ウィトゲンシュタイン全集8:哲学探究』、藤本隆志訳、大修館書店、1976年。

 

本講座では、鬼界彰夫訳を教科書として採用し、必要に応じて他の邦訳や原文、英訳を紹介します。ドイツ語が読めない方でも参加することができます。

【講師】
槇野 沙央理(まきの さおり)
城西国際大学・大正大学非常勤講師。専門は、ウィトゲンシュタインの哲学。
博士論文に、『自己明晰化としてのウィトゲンシュタイン哲学——治療的解釈を超えて』(千葉大学大学院人文社会科学研究科、2020年)。2021年に出版を控えている論文等に、“Against the Quietist Picture of Philosophy: A Groundwork for Comparing Wittgenstein and Hegel”(Wittgenstein and Classical German Philosophy, Alexander Berg and Denys Kaidalov (eds.), De Gruyter, forthcoming)、「比較対象としての後期ウィトゲンシュタイン——ホワイトヘッドとは異なる言語の創造性へ(仮)」(『プロセス思想』、21号、日本ホワイトヘッド・プロセス研究会、頁数未定)、「書評 『哲学の女王たち』」(『週刊読書人』、2021年8月6日(金)号)があります。
哲学研究に従事する女性のためのネットワーキンググループWOMEN: WOVENのオーガナイザーを務めています(2020年から)。また、2021-2年に国際ワークショップ“Wittgenstein and Traditional German Philosophy”を開催予定です。
ホームページ:https://saorimakino.weebly.com