2021期・4月期開講講座

【注意事項】

こちらの講座はすべてオンラインでの実施となります。

受講を希望される場合は、各講座ごとの受付ページでのお申し込みをお願いいたします。

​講座のレベル ※あくまで目安としてお考えください。

☆・・・その分野について関心があり、これから学んでみようと思う方

☆☆・・・その分野についてより深く学んでみたい方

☆☆☆・・・普段からその分野によく親しんでいる方

春期特別/Online     

  哲学  

春期特別講座 ヘーゲル『精神現象学』を読む(全4回)

初回日時: 2021年3月5日(金) 19:30 - 21:00
日程:   3月の第1金曜日・土曜日と第2金曜日・土曜日(日時:3/5、3/6、3/12、3/13)
場所:   オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座

参加費:  全4回 一般8,000円/学生4,000円

受講のお申し込みはこちらから。

 この人文学ゼミでは、ヘーゲル『精神現象学』を実際に読みながら、担当講師による解説と、受講者相互の議論を通じて、理解を深めていきます。『精神現象学』は1807年に出版されたヘーゲルの主著であり、哲学史上の著作の中でもとくに難解なことで知られていますが、専門家の手引きがあれば、予備知識のない読者でも十分読み進めていくことができます。今期は「理性章」Bの「a. 快楽と必然性」、「b. 心の法則、そしてひとりよがりの狂気」、「c. 徳と世間」を読みます。この箇所は、意識の経験という『精神現象学』のメインストーリーの中にゲーテの『ファウスト』、シラーの『群盗』、セルヴァンテスの『ドン・キホーテ』といった文学作品を組み込みながら、近代における個人と社会の問題にヘーゲルが切り込んでいる箇所です。これらの文学作品も参照しながら、ヘーゲルのテキストを読解していきます。

【使用テキスト】
『精神現象学』の翻訳は、講師による日本語訳を配布します。
既存の翻訳を手元に置いておきたい方は以下のものが比較的安価で定評があります。
樫山欽四郎訳、『精神現象学 上』、平凡社ライブラリー、1997年。
また、最近刊行された最新の翻訳も大変参考になります。
熊野純彦訳、 『精神現象学 上』、ちくま学芸文庫、2018年。

 

【参考書】
ゲーテ『ファウスト 第一部』相良守峯訳、岩波文庫、1958年
シラー『群盗』久保栄訳、岩波文庫、1958年
セルヴァンテス『ドン・キホーテ』牛島信明訳、岩波少年文庫、2000年
セルヴァンテス『ドン・キホーテ』全6巻、牛島信明訳、岩波文庫、2001年
ソフォクレス『アンティゴネー』中務哲郎訳、岩波文庫、2014年

 

講師
大河内 泰樹(おおこうち たいじゅ)
京都大学大学院文学研究科教授。国立人文研究所代表。
著書に、『人文学と制度』(共著、未來社、2013年)、『政治において正しいとはどういうことか』(共著、勁草書房、2019年)、訳書にミヒャエル・クヴァンテ『カール・マルクスの哲学』(共訳、リベルタス出版、2019年)、ジュディス・バトラー『欲望の主体 二〇世紀フランスにおけるポスト・ヘーゲル主義』(共訳、堀之内出版、2019年)など。

 

人文学/Online     

  哲学  

ウィトゲンシュタインのテクストに立ち入る方法(全4回) 

初回日時: 2021年4月10日(土) 19:30 - 21:00 
日程:   4月‐7月の第2土曜日(4/10、5/8、6/12、7/10)
場所:   オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座

参加費:  全4回 一般8,000円/学生4,000円

受講のお申し込みはこちらから。

 ウィトゲンシュタインのテクストは難解なことで知られています。それは一方で、さまざまな哲学的背景を前提としており、読み解くために専門的な訓練を必要とします。しかし他方で、彼の哲学は、プロフェッショナルな取り扱いを(極端な言い方をすると)「拒む」ようにも見えます。ある文に、一つの意味・一つの哲学的主張をあてがわなければならないと前提すると、彼のテクストは私たちを弄び、置いてけぼりにするように見えるでしょう。このような、矛盾するような態度を要求するウィトゲンシュタインのテクストを、少しでも自分自身の手で触ってその矛盾に巻き込まれてみよう(そしてその経験の中で彼が何を促しているか考えてみよう)というのが、今回の私からの提案です。
 そのために、近年のウィトゲンシュタイン研究の動向と、講師自身の関心とを交えながら、ウィトゲンシュタインのテクストへ立ち入って行きます。第一回では、「ウィトゲンシュタイン哲学のバックボーン――19世紀末ウィーンの知識人」と題して、彼の哲学の「臭み」とでも呼ぶべきものがどこから来ているかを考えてみたいと思います。第二回では、彼の代表的著作である『論理哲学論考』(『論考』と省略)を取り上げます。特に、2021年は『論考』出版100周年であるため、これをきっかけに、「『論考』論争(the Tractatus Wars)」と呼ばれる、ここ20年くらいの『論考』研究(ないし喧嘩)を振り返ってみようと思います。第三回では、ウィトゲンシュタインが出版しようとしたテクストで、『論考』とは全く異なるスタイルで書かれた『哲学探究』(『探究』と省略)を取り上げます。『探究』の文字列を意味あることとして読む読解手法を読者自身が獲得しながら読む、ということに挑戦してみましょう。最後の第四回では、近年のトピックとして、「ウィトゲンシュタインとフェミニズム」を取り上げる予定です。
 ウィトゲンシュタインのテクストは、読者に、特定の立場にいるようプレッシャーをかけるのではなく、むしろ、自明とみなされていて明晰化を被らなくてよい立場があるのではないかと問いかけます。今回の講座が、こうした体験を少しでももたらすことができれば幸いです。

 

本講座は、博士による人文知提供のプラットフォーム「クェス(QeS: Quid est Sapientia)」の協力講座です。
クェス(QeS: Quid est Sapientia)のホームページはこちらから。

【各回の予定】

第一回:ウィトゲンシュタイン哲学のバックボーン――19世紀末ウィーンの知識人
第二回:代表的なテクスト①『論理哲学論考』――出版100周年を記念して
第三回:代表的なテクスト②『哲学探究』――新しい鬼界彰夫訳を読んでみよう
第四回:近年のトピック――ウィトゲンシュタインとフェミニズム

【参考文献】

L. ウィトゲンシュタイン、『哲学探究』、鬼界彰夫訳、講談社、2020年。
L. ウィトゲンシュタイン、『論理哲学論考』、野矢茂樹訳、岩波書店、2003年。
大谷弘、『ウィトゲンシュタイン 明確化の哲学』、青土社、2020年。

講師

槇野 沙央理(まきの さおり)
城西国際大学・東都大学非常勤講師。専門は、ウィトゲンシュタインの哲学。
博士論文に、『自己明晰化としてのウィトゲンシュタイン哲学――治療的解釈を超えて』(千葉大学大学院人文社会科学研究科、2020年)、エッセイに、研究手帖「ある誘惑からはじまる書物について」(『現代思想2021年1月号 特集=現代思想の総展望2021-実在・技術・惑星-』、青土社、p. 254、2020年)。
哲学オンラインセミナーで企画協力を行っています。また、2021年に国際ワークショップ“Wittgenstein and Traditional German Philosophy”を開催予定です。
ホームページ:https://saorimakino.weebly.com

  哲学  

近代美学入門(全4回) 

初回日時: 2021年4月22日(木) 19:30 - 21:00
日程:   4月‐7月の第4木曜日(4/22、5/27、6/24、7/22)
場所:   オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座

参加費:  全4回 一般8,000円/学生4,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 音楽や小説に感動して「芸術とは天才が創造したものだ」と思ったり、生い茂る草花にうっとりして「絵になる風景だ」と呟いたり――そんな経験がある方は、少なくないのではないでしょうか。しかしどちらも実は、近代美学に基づいた発言です。近代以前の人々なら、このような表現をすることはなかったでしょう。
 わたしたちが美や芸術について何気なく抱いている ”常識” の多くは、17~19世紀のヨーロッパで成立した価値観です。この時代に、美学(美や芸術に対する思想)は大きく転換しました。本講座では、その転換の大筋を紹介します。
 第1回目では、アートという言葉の意味が「技術」から「芸術」へと変化する過程を整理し、「芸術」自体が近代に生まれた概念であることを学びます。第2回目では、芸術概念の成立に伴って、芸術とは天才による独創的な創造だと考える「天才美学」が登場することを学びます。第3回目では、風景画と風景式庭園の発達に目を向けつつ、その背景に、ありのままの自然を「絵のように美しい」と捉えるようになる、自然観の変化があったことを学びます。第4回目では、山岳に対する人々の評価が、悪魔の棲む暗い場所というイメージから一転したこと、それとともに自然に対する「崇高」という概念が発達したことを学びます。
 こうした近代における美学の変化を学ぶことで、近現代の価値観を相対化できるようになるでしょう。美や芸術について思索を巡らせることがいっそう楽しくなる、その一助となることが、本講座の目標です。

【各回の予定】

第一回:「芸術」概念の誕生
第二回:完全性の美学から天才美学へ
第三回:自然観と絵画・庭園の変化
第四回:「崇高な山」の発見

【参考図書】

ウンベルト・エーコ『美の歴史』植松靖夫、川野美也子訳、東洋書林、2005年
小田部胤久『芸術の逆説――近代美学の成立』東京大学出版会、2001年
安西信一『イギリス風景式庭園の美学――「開かれた庭」のパラドックス』東京大学出版会、2000年、増補新装版2020年
マージョリー・ホープ・ニコルソン『暗い山と栄光の山――無限性の美学の展開』小黒和子訳、国書刊行会、1989年

講師

井奥陽子(いおく ようこ)
東京藝術大学美術研究科教育研究助手。日本女子大学、二松学舎大学非常勤講師。博士(美術)。専門は美学・芸術学、とくに18世紀ドイツの美学思想史。著書に『バウムガルテンの美学――図像と認識の修辞』(慶應義塾大学出版会、2020年)、論文に「A・G・バウムガルテンとG・F・マイアーにおける固有名とその詩的効果」(『美学』254号、2019年)など。

  哲学  

ラカンを読む――『エクリ』『他のエクリ』拾い読み(全4回) 

初回日時: 2021年4月23日(金) 19:30 - 21:00

日程:   4月‐7月の第4金曜日(4/23、5/28、6/25、7/23)

場所:   オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座

参加費:  全4回 一般8,000円/学生4,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 ジャック・ラカン(1901-1981)の理論はきわめて難解なことで知られています。研究は進んでいるものの、専門家にとってさえ、いまだうまく解釈できないところも多いのです。しかし、そんな彼の著書『エクリ』や『他のエクリ』のなかにも、「拾い読み」によって、その言わんとすることが「それなりに」理解できる箇所はたくさんあります。特に、彼がいったい何と戦っているのか——つまり、彼が同時代の他の分析家に対して何を主張しようとしていたのか——を学ぶことによって、いっけん難解な彼の思想と臨床の一端を明らかにすることが、この講義の狙いです。
 各講義は、それぞれのテーマごとに、ラカンの議論の文脈を説明し、『エクリ』か『他のエクリ』の短い一節を読み解く、という形式で行われます。ラカンの文章は、原文(フランス語)のほかに英訳と日本語訳も提示しますので、語学に不安がある方でも受講していただけます。

 

【各回の予定】

第一回:ラカン理論の基礎――「鏡像段階論」、「ローマ講演」を読む
第二回:ラカンの精神病臨床――「精神病のあらゆる可能な治療に対する前提的問題について」を読む
第三回:ラカンの男性・女性論――「ファルスの意味作用」を読む
第四回:精神分析家とは何か――「学派分析家に関する1967年10月9日の提案」を読む

【参考図書】

松本卓也『人はみな妄想する ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』(青土社、2015年)
向井雅明『ラカン入門』(ちくま学芸文庫、2016年)
片岡一竹『疾風怒濤精神分析入門』(誠信書房、2017年)

講師

松本卓也(まつもと たくや)
1983年高知県生まれ。高知大学医学部卒業、自治医科大学大学院医学研究科修了。博士(医学)。専門は精神病理学。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。著書に『人はみな妄想する ジャック・ラカンと鑑別診断の思想』(青土社、2015年)、『享楽社会論』(人文書院、2018年)、『創造と狂気の歴史 プラトンからドゥルーズまで』(講談社、2019年)、『心の病気ってなんだろう?』(平凡社、2019年)など。訳書にヤニス・スタヴラカキス『ラカニアン・レフト ラカン派精神分析と政治理論』(共訳、岩波書店、2017年)、ニコラ・フルリー『現実界に向かって――ジャック=アラン・ミレール入門』(人文書院、2020年)、ダリアン・リーダー『ハンズ――手の精神史』(共訳、左右社、2020年)などがある。

  文学  

プルースト 『失われた時を求めて』を読む(全4回) ☆

初回日時: 2021年4月15日(木) 19:30 - 21:00
日程:   4月‐7月の第3木曜日(4/15、5/20、6/17、7/15)
場所:   オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費:  全4回 一般8,000円/学生4,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 マルセル・プルーストの小説『失われた時を求めて』を邦訳で読みます。
 20世紀文学を方向づけたとされるこの書は、時間と空間の新しい表現、記憶・意識・知性をめぐる省察、虚構世界を構築する語りの方法の探索に満ちています。全7篇からなる小説の第一篇『スワン家の方へ』を中心に、抜粋テクストを精読しながら、作家が問い続けた生と文学の関わりを考察したいと思います。

 

【各回の予定】

第一回:  作家が生きたベル・エポックのフランスを概観し、プルースト小説の美学的な鍵となる要素について解説します。
第二回:  「時のかたち」を読む
第三回:  「風景」を読む
第四回:  「名の夢想」を読む

【使用テキスト】

講読のためのテクストは、毎回こちらで用意して、事前にお届けいたします。
現時点で入手しやすい個人訳の文庫版を以下に挙げておきますので、コンテクストを理解するうえで参考になさってください。
吉川一義訳  (岩波文庫) 2010〜2019年
鈴木道彦訳  (集英社)  1996〜2001年 ; (集英社文庫) 2006〜2007年
井上究一郎訳 (筑摩世界文学大系) 1973〜1988年 ; (ちくま文庫) 1992〜1993年

【参考図書】

鈴木道彦 『プルーストを読む−−「失われた時を求めて」の世界』 集英社新書 2002年
鈴木道彦 『マルセルプルーストの誕生−−新編プルースト論考』 藤原書店 2013年
吉川一義 『プルーストの世界を読む』 岩波人文書セレクション 2014年
吉田城 『「失われた時を求めて」草稿研究』 平凡社 1993年

講師

中野 知律 (なかの ちづ)
1981年 東京大学教養学部教養学科卒。 1989年 パリ第IV大学にて博士号取得。
1991年 東京大学人文科学研究科仏語仏文学博士課程満期退学。
一橋大学社会学部専任講師、助教授を経て、現在 一橋大学大学院社会学研究科教授。
著書に 『プルーストと創造の時間』 名古屋大学出版会 2013年、 『プルーストとの饗宴』 水声社 2020年など。 

  歴史  

前2千年紀後半のオリエント世界(全4回) ☆

初回日時: 2021年5月15日(土) 19:30 - 21:00

日程:   5月‐7月の第3土曜日【※5月からの開講となります。7月は第5土曜日も開講日となります】(5/15、6/19、7/17、7/31)
場所:   オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費:  全4回 一般8,000円/学生4,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 

 今から約3500年前、メソポタミア文明とエジプト文明が栄えた古代オリエント世界には、エジプトやメソポタミア南部のバビロニア、北部のミタンニ、アナトリアのヒッタイトなど、複数の属国を支配する地域大国が並び立っていました。大国は、ときに大規模な軍事衝突をすることがあった一方で、平時には外交手段を駆使して勢力均衡を保ちながら、国益を追求していました。彼らの言動には現代と変わらない国家間の関係を見ることができます。
 本講座では、エジプトのアマルナで見つかった、支配者間で交わされた国際書簡や、ヒッタイトの都で発掘された条約文書を取り上げ、これらの楔形文字で記された粘土板文書の翻訳をご紹介しながら、人類史上初ともいえる国際社会の形成と、その世界を生きた支配者たちの人間関係をみていきます。

本講座は、博士による人文知提供のプラットフォーム「クェス(QeS: Quid est Sapientia)」の協力講座です。
クェス(QeS: Quid est Sapientia)のホームページはこちらから。

【各回の予定】

第一回: 古代オリエント史の概説
第二回: 前2千年紀後半の国際体制
第三回: アマルナ文書からみる国際社会
第四回: ヒッタイト条約文書からみる国際社会

【参考図書】

前田徹他 『歴史学の現在 古代オリエント』 山川出版社、2000。
M. van de Mieroop, A History of the Ancient Near East ca. 3000 - 323 BC, 3rd Edition (Blackwell Publishing), 2015.

講師

山本 孟(やまもと はじめ)
紀元前2千年紀のアナトリア(現トルコ共和国)に栄えたヒッタイト王国の歴史や宗教について研究しています。2017年 京都大学大学院文学研究科博士号(文学)取得。現在は、山口大学教育学部講師をしています。
Hajime Yamamoto “The Hittite noun išḫiul-: Law of the Gods, Instruction and Treaty,” Orient 51, 2016, pp.143-160.
Hajime Yamamoto “The Concept of Territories and Borders in Hittites’ Royal Ideology”, Orient 55, 2020, pp.29-41.

人文学ゼミ/Online     

  歴史  

古文書ワークショップ(全4回) ☆

初回日時: 2021年4月9日(金) 19:30 - 21:00
日程:   4月‐7月の第2金曜日(4/9、5/14、6/11、7/9)【※人文学ゼミですが月1回の開催です】

場所:   オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費:  全4回 一般8,000円/学生4,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 破れかけた和紙、ミミズがのたうったような筆文字、漢字か ひらがなか カタカナか、そもそもどれが一文字なのかもわからない――古文書(こもんじょ)に、こんなイメージをお持ちではないでしょうか。多くの方にとって古文書は、テレビの画面越しに、あるいは博物館のガラスケースをはさんで「触れる」程度の、縁遠いものかも知れません。
 歴史を探ろうとするとき、その重要な手がかりとなる史料(歴史資料)は、しばしば古文書です。全国各地には、いまも大量に未整理の古文書が残されています。それらを読み解くことは、歴史に新たな光をあてたり、歴史像を大きく書き替えたりすることにつながる可能性をひらきます。
 この講座は、これまで古文書に触れたり、読んだりした経験をもたない方々を対象に、古文書を読むための基礎からはじめて、古文書を読んで内容を知り、それがつくられ、残された背景をさぐるなど、1点の古文書から歴史を読み解く楽しさを体感していただくことを目指しています。いわば、古文書講座の入門編です。今回の講座では、徳川御三卿の一つ、清水家に仕えた村尾嘉陵が江戸近郊にある名所・旧蹟の様子を書いた『江戸近郊道しるべ』を読む予定です。最終回は、受講者のリクエストを聞きながらテキストを決めていきます。4回の講座でどんな古文書もすらすら読めるようになる、などとは申しませんが、まず古文書に親しんでみたい、ただ読むだけではなく、そこから歴史をのぞいてみたいという方々と一緒に、ゆっくり、じっくり古文書を読んでいきたいと思っています。

 

【各回の予定】

第一回: 古文書を読むためのキホンのキ―江戸時代の教科書を読む
第二回: 江戸近郊の紀行文を読む①
第三回: 江戸近郊の紀行文を読む②
第四回: 江戸時代の古文書を読む(リクエストに応えて)

 

【参考図書】
鈴木直樹『近世関東の土豪と地域社会』(吉川弘文館、2019年)
児玉幸多編『漢字くずし方辞典 新装版』(東京堂書店、2019年)
油井宏子『古文書くずし字見わけかたの極意』(柏書房、2013年)
林英夫『基礎 古文書のよみかた』(柏書房、1998年)

 

講師

鈴木直樹(すずき なおき)
日本学術振興会特別研究員PD(中央大学)、専門は歴史学(日本近世史/地域史・村落史)
著書に『近世関東の土豪と地域社会』(吉川弘文館、2019年)、『藩地域の環境と藩政』(共著、岩田書院、2020年)。論文に「宝永地震後の復旧・開発過程と地域社会」(小酒井大悟・渡辺尚志編『近世村の生活史』清文堂出版、2020年)など。

 

  語学  

初級ラテン語Ⅱ(全8回)  ※月2回開講 

初回日時: 2021年4月14日(水) 19:30 - 21:00
日程:   4月‐7月の第2・第4水曜日(4/14、4/28、5/12、5/26、6/9、6/23、7/14、7/28)
場所:   オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費:  全8回 一般16,000円/学生8,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 古代ローマ帝国で公用語として使われるようになったラテン語は、キリスト教の公用語として、さらには近代に至るまで学術、文学の領域で主要な言語として西洋世界を支え続けてきました。午前・午後をあらわすAMやPM、ウィルスやアドリブなど、私たちの身の回りでは少なからぬラテン語が使われていますが、そのことはつまりラテン語が私たちの生活に西洋世界の文化が深く浸透しているということを意味します。ラテン語を学ぶことは単にイタリア語やフランス語の直接の先祖である言語を学ぶことにとどまらず、私たちの間に深く根付いた西洋世界の言語、文化、思想についてより深く理解する一助となるでしょう。
 本講座では、簡単なラテン語を理解出来るようになることを目指して基礎文法を学んでいきます。「初級ラテン語Ⅰ」では第一、第二、第三変化名詞、第一・第二変化形容詞、動詞の直説法の時制を学びましたので、「初級ラテン語Ⅱ」から受講される方は以上の文法事項の学習経験があることが望ましくはありますが、おさらいしながら学んで行きますのでラテン語未経験の方でも受講可能です。
 ラテン語は難しい言語というイメージがありますが、文法がかっちりしているため、構造がわかればむしろパズルのようにわかりやすい言語です。課題による復習も行いつつ(必修ではありません)、理解度を確認しながら先に進んでいきますので、分かることを楽しみながら学んでいきましょう。

※こちらの講座は、2020年9月期講座「はじめてのラテン語(初級ラテン語I)」と連続する内容となっておりますが、今期からの受講も可能です。

本講座は、博士による人文知提供のプラットフォーム「クェス(QeS: Quid est Sapientia)」の協力講座です。

クェス(QeS: Quid est Sapientia)のホームページはこちらから。

【各回の予定】

第一回: 第三変化形容詞
     第一・第二変化形容詞の格変化と用法について確認しつつ、第三変化形容詞の格変化について学びます。
第二回: 第四、第五変化名詞
     名詞の格変化と用法について確認しつつ、第四、第五変化名詞の格変化について学びます。
第三回: 受動相
     動詞の活用と用法について確認しつつ、動詞の受動相の活用と用法について学びます。
第四回: 能相欠如動詞
     能相欠如動詞の活用と用法について学びます。
第五回: 代名詞1
     指示代名詞や限定代名詞、人称代名詞などの代名詞の格変化と用法について学びます。
第六回: 代名詞2
     強意代名詞や疑問代名詞の格変化と用法について学びます。
第七回: 接続法1
     接続法の活用と用法について学びます。
第八回: 接続法2
     引き続き接続法の活用について学びます。

【使用テキスト】

河島思朗『基本から学ぶラテン語』ナツメ社、2016年(教科書となりますのでご購入ください)

【参考図書】
水谷智洋(編)『羅和辞典<改訂版>』研究社、2009年
山下太郎『しっかり学ぶ初級ラテン語』ベレ出版、2013年
松平千秋、国原吉之助『新ラテン文法』東洋出版、1990年

講師

村上寛(むらかみ ひろし)
博士(文学)。立教大学、明治学院大学、上智大学非常勤講師(ラテン語科目)。専門は西洋中世思想。(単著)『鏡・意志・魂―マルグリットと呼ばれるポレートとその思想』晃洋書房、2018年。(共著)「マルグリット・ポレートの神化思想―源流と波紋、水と火の比喩を中心に」(田島照久、阿部善彦編著『テオーシス―東方・西方教会における人間神化思想の伝統』教友社、2018年)、他。クェス(QeS: Quid est Sapientia)代表。

  語学  

ラテン語を読んでみるIV(全8回) ☆☆ ※月2回開講 

初回日時: 2021年4月7日(水) 19:30 - 21:00
日程:   4月‐7月の第1・第3水曜日【※5月は第3水曜日のみ・6月は第5水曜日にも開講】(4/7、4/21、5/19、6/2、6/16、6/30、7/7、7/21)
場所:   オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費:  全8回 一般16,000円/学生8,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 本講座では、オウィディウス『変身物語』(Metamorphoses)を受講者の皆さんと一緒に読んでいきます。西洋の文学や藝術作品に絶大な影響を及ぼし、私たちの文化でも至る所で目にするギリシャ・ローマ神話の集大成とも言うべき作品をラテン語で読んでみましょう。
 本講座では予めテキストをお配りしますので、事前に語彙や用法について調べておいていただき、授業ではその確認及び分からなかった単語や文法事項について解説していきます。
 受講にあたっては文法書を一通り終えていることが望ましくはありますが、一文ずつ、一語ずつ確認しながら進めていくので、ラテン語はあまり自信がないという方でも受講いただけます。

※こちらの講座は、2020年9月期講座「ラテン語を読んでみるIII」と連続する内容となっておりますが、今期からの受講も可能です。
本講座は、博士による人文知提供のプラットフォーム「クェス(QeS: Quid est Sapientia)」の協力講座です。

クェス(QeS: Quid est Sapientia)のホームページはこちらから。

【各回の予定】

第一回:『変身物語』(Metamorphoses)を読む1
第二回:『変身物語』(Metamorphoses)を読む2
第三回:『変身物語』(Metamorphoses)を読む3
第四回:『変身物語』(Metamorphoses)を読む4
第五回:『変身物語』(Metamorphoses)を読む5
第六回:『変身物語』(Metamorphoses)を読む6
第七回:『変身物語』(Metamorphoses)を読む7
第八回:『変身物語』(Metamorphoses)を読む8

【使用テキスト】

テキストは配布しますので教科書は指定しませんが、事前学習にあたって辞書が必要になりますので以下をご用意ください。
水谷智洋(編)『羅和辞典<改訂版>』研究社、2009年

【参考図書】
松平千秋、国原吉之助『新ラテン文法』東洋出版、1990年

 

講師

村上寛(むらかみ ひろし)
博士(文学)。立教大学、明治学院大学、上智大学非常勤講師(ラテン語科目)。専門は西洋中世思想。(単著)『鏡・意志・魂―マルグリットと呼ばれるポレートとその思想』晃洋書房、2018年。(共著)「マルグリット・ポレートの神化思想―源流と波紋、水と火の比喩を中心に」(田島照久、阿部善彦編著『テオーシス―東方・西方教会における人間神化思想の伝統』教友社、2018年)、他。クェス(QeS: Quid est Sapientia)代表

  文学  

『源氏物語』を読む(全8回) ☆☆ ※月2回開講  

初回日時: 2021年4月2日(金) 19:30 - 21:00
日程:   4月‐7月の第1・第3金曜日(4/2、4/16、5/7、5/21、6/4、6/18、7/2、7/16)
場所:   オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費:  全8回 一般16,000円/学生8,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 日本文学のなかで最も有名な作品のひとつである『源氏物語』ですが、実際に原文で読んだことのある人は多くないでしょう。学校の授業や試験に出た経験から、難しく堅苦しい、間違ってはいけないものというイメージをお持ちの方もいるかもしれません。ですが少しずつ気になる部分を見つけて読んでいけば、決して難しいものではありません。
 本講座では、いくつかの注釈書を比較し参考にしながら、『源氏物語』を原文で少しずつ読んでいきます。適宜解説し、現代語訳も参照しますので、高校の古典に苦手意識を持っていた方でも大丈夫です。主人公であった光源氏が亡くなった後の、宇治を舞台とする宇治十帖を読んでいきます。今回は2020年9月期からの続きを読んでいきますが、それまでの部分についても説明しますので、初めての方でも安心してご参加になれます。
 宇治十帖においては、真剣な主人公とアイロニカルな語りの落差がときに滑稽さを産み出します。これまで知らなかった『源氏物語』の魅力を見つけることができるでしょう。

※こちらの講座は、2020年9月期講座「『源氏物語』を読む」と連続する内容となっておりますが、今期からの受講も可能です。

【使用テキスト】

配布資料を使用。
市販のものであれば、角川ソフィア文庫『源氏物語 8巻』が安価です。

講師

西原志保(にしはら しほ)
共愛学園前橋国際大学、大東文化大学非常勤講師。
専門は『源氏物語』を中心とした日本文学。内面、少女、人形、動物などをテーマとして考察する。著書に『『源氏物語』女三の宮の〈内面〉』(新典社新書)、論文に「女三の宮のことば―六条院の空間と時間」(『日本文学』2008年12月)ほか。

※講師インタビューはこちら 

  哲学  

ヘーゲル『精神現象学』を読む(全8回) ☆☆☆ ※月2回開講

初回日時: 2021年4月5日(月) 19:30 - 21:00
日程:   4月‐7月の月二回隔週の月曜日(4/5、4/19、5/17、5/31、6/14、6/28、7/12、7/26)
場所:   オンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」 を使用したオンライン講座
参加費:  全8回 一般16,000円/学生8,000円

​受講のお申し込みはこちらから。

 

 この人文学ゼミでは、前期に引き続きヘーゲル『精神現象学』を実際に読みながら、担当講師による解説と、受講者相互の議論を通じて、理解を深めていきます。『精神現象学』は1807年に出版されたヘーゲルの主著であり、哲学史上の著作の中でもとくに難解なことで知られていますが、専門家の手引きがあれば、予備知識のない読者でも十分読み進めていくことができます。今期は「理性章」の「C. 即かつ対自的に自らにとって実在的となった個体性」を読みます。ただし、この箇所を読むに先だってこれに先立つB節「自己意識となった理性は自分自身によって自分自身を実現する」の導入部分を読みます。この箇所は、むしろこのC節の位置づけと役割を理解するのに重要な箇所となっています。C節では、ヘーゲル独自の行為論と共同体論が見られるほか、カントの道徳論に対する最初のまとまった批判が登場します。そうして『精神現象学は』「精神」へと繋がる大きな転回点を迎えます。最初の回にこれまでの概要の解説、加えて適宜哲学史の解説を行いますので、初めての方も安心して受講していただけます

【使用テキスト】

『精神現象学』の翻訳は、講師による日本語訳を配布します。
既存の翻訳を手元に置いておきたい方は以下のものが比較的安価で定評があります。
樫山欽四郎訳、『精神現象学 上』、平凡社ライブラリー、1997年。
また、最近刊行された最新の翻訳も大変参考になります。
熊野純彦訳、 『精神現象学 上』、ちくま学芸文庫、2018年

講師

大河内 泰樹(おおこうち たいじゅ)
京都大学大学院文学研究科教授。国立人文研究所代表。
著書に、『人文学と制度』(共著、未來社、2013年)、『政治において正しいとはどういうことか』(共著、勁草書房、2019年)、訳書にミヒャエル・クヴァンテ『カール・マルクスの哲学』(共訳、リベルタス出版、2019年)、ジュディス・バトラー『欲望の主体 二〇世紀フランスにおけるポスト・ヘーゲル主義』(共訳、堀之内出版、2019年)など。  

© Copyright 2015, 国立人文研究所 All Rights Reserved.