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20189月期開講講座

人文学/KUNITACHI         

  哲学  

受付締め切りました

ベンヤミンを読む (一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)9月6日〆切

第2木曜日19:15〜20:45 (9/13, 10/11, 11/8,12/13) 会場:コウヨウ

ヴァルター・ベンヤミン(Walter Benjamin 1892-1940)はベルリン出身のユダヤ人思想家です。経歴的にはいわゆる〈フランクフルト学派〉に連なりながら、その独自の思想は多方面からの関心を惹きつけてきました。この講座では、そういうベンヤミンの思想の〈基調〉というべきものをいくつかの著作に即して読み取って行きたいと思います。

 神学の世俗化の試み―彼の思想に基調にあるものをこう呼ぶことができるでしょう。神学がまったくその意義、影響力を喪失しつつあった近代にあって、その近代を根底的に批判するために神学的〈救済〉のモチーフをその梃子とすること、これが彼の生涯にわたる思索が追及したものでした。

 今回の講座では、上記の視点から彼の青年期から初期の著作と後期の著作を読み解いていきます。特に予備知識は必要としません。私なりの視点からの〈ベンヤミン入門〉というイメージで講義をすすめるつもりです。魅力的ではあるものの難解なベンヤミンのテキストのひとつの読み方をお伝えできれば、と願っています。

必要な資料は準備します。邦訳はおもにちくま学芸文庫を使用しますが、他の訳でも結構ですので各自テキストに触れていただけると理解がすすむと思います。

 

【授業予定】

第1回 「言語一般と人間の言語」―青年ベンヤミンの思想

第2回 「ドイツ・ロマン主義における批評の概念」―批評とメシアニズム

第3回 「ゲーテの親和力」―〈希望なき者のための希望〉とは?

第4回 「物語作者」と「歴史の概念について」―歴史と神学

【使用テキスト】

取り上げるテキストの所収されたちくま学芸文庫は以下のとおり

『ベンヤミン・コレクションI 近代の意味』

第1回「言語一般と人間の言語」

第3回「ゲーテの『親和力』

第4回「歴史の概念について」

『ドイツ・ロマン主義における芸術批評の概念』

第2回「ドイツ・ロマン主義における芸術批評の概念」

『ベンヤミン・コレクション2 エッセイの思想』

第4回「物語作者」

講師

三崎和志(みさき かずし)

東京慈恵会医科大学教授。専門はフランクフルト学派を中心としたドイツ現代思想。共・編著に『西洋哲学の軌跡―デカルトからネグリまで』『哲学から未来を拓く① 21世紀の透視図―今日的変容の根源から』など。

 


  歴史  

受付締め切りました

歴史の「生の声」を聴く―史料でよむ中近世ヨーロッパ社会史―(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第1月曜日 19:15〜:20:45 (9/3, 10/1, 11/5, 12/3)会場:コウヨウ

 領主が治め、農民が耕した中近世のヨーロッパ。年表に刻まれるような大きな歴史の足元には、人びとの日々の暮らしがありました。自分のことを自らの筆で書き残すこともなく、歴史的な出来事に関わりもしなかった庶民がいかに生きたのか、それを解き明かして物語るのが、社会史の研究です。ただ、数百年前の民衆の日常生活、人間関係、考え方、そして喜怒哀楽を知るための材料=史料は、決して潤沢にあるわけではありません。歴史家は、残された限られた史料のなかから彼らの生の痕跡を見つけ出し、それを読み解いて復元します。それは、わずかな痕跡を見つけ出すために史料を丁寧に読むことであり、史料のあちこちに散らばっている痕跡を慎重につなぎ合わせる作業でもあります。なかでも、裁判の証言が書き留められた文書は、市井の人びとの「生の声」を記録した貴重なもので、多くの歴史家たちが依拠してきました。そこから、他の史料からではわからない人々の生活や心性に迫ることができるのです。

 この講座では、講師の近著『姦通裁判:18世紀トランシルヴァニアの村の世界』を手始めに、裁判文書を用いた代表的な研究を紹介しながら、中近世ヨーロッパ社会史の世界に誘います。取り上げる主な図書は、社会史の古典としてル・ロワ・ラデュリ『モンタイユー:ピレネーの村1294~1324』、デーヴィス『マルタン・ゲールの帰還:16世紀フランスの偽亭主事件』、ギンズブルグ『ベナンダンティ:16-17世紀における悪魔崇拝と農耕儀礼』など。最終回には、実際に18世紀の裁判記録(日本語訳)を読み、史料から歴史を復元する作業にも触れてみます。

 

【授業予定】

第1回: 史料から何が明らかになるのか? ―ある姦通事件を題材に―
第2回: ヨーロッパ社会史の古典を読む①『モンタイユー』―史料から読み取れること―
第3回: ヨーロッパ社会史の古典を読む②『ベナンダンティ』『マルタン・ゲールの帰還』―史料の落とし穴と読みの技法―
第4回: 史料から歴史へ―18世紀の裁判史料を読んでみる―

【参考図書】

秋山晋吾『姦通裁判:18世紀トランシルヴァニアの村の世界』講談社(星海社新書)、2018年

ル・ロワ・ラデュリ『モンタイユー:ピレネーの村1294~1324』、刀水書房、1990年

デーヴィス『マルタン・ゲールの帰還:16世紀フランスの偽亭主事件』平凡社、1985年

ギンズブルグ『ベナンダンティ:16-17世紀における悪魔崇拝と農耕儀礼』せりか書房、1986年、978-4796701440

講師

秋山晋吾(あきやま しんご)

一橋大学大学院社会学研究科教授。歴史学(東欧・中欧史)

著書に18世紀トランシルヴァニアの村の世界』(星海社新書、2018年)、編著書に『つながりと権力の世界史』(彩流社、2014年)、訳書・監訳書に、R.オーキー『ハプスブルク君主国』(NTT出版、2010年)、J.サーヴァイ『ハンガリー』(白水社、1999年)、M.グリーン『海賊と商人の地中海』(NTT出版、2014年)など。

受付締め切りました

「多摩」の自由民権運動の先駆性と海を越えた動き――五日市憲法・竹橋事件・在米民権に焦点をあてて――

(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第1水曜日19:15〜:20:45 (9/5, 10/3, 11/7, 12/5)会場:コウヨウ

今年は、長い間朽ちかけた土蔵の中に眠っていた、多摩が生み出した自由民権期の憲法草案「五日市憲法」が発見されて50年目になります。江戸幕府が倒れてから、まだ十数年しか経っていない多摩の山村で、国民の基本的権利の保障に重点をおき、地方自治権や教育の自由などを堂々と宣言した憲法が生み出されました。そこに流れる思想は、今日の日本国憲法にも通じる先駆的なものでした。薄暗い土蔵内で、その資料を最初に手にした私は、すっかり歴史研究の魅力にはまりました。以来、その資料の歴史的価値と意味の探索と人物研究に独力で取り組み、その結果が「歴史にする」ということにつながったと考えています。埋もれた多摩の地域史は、憲法ばかりではありませんでした。1878年の竹橋事件に参加し、獄死した兵士の記録と、明治政府の弾圧を逃れて渡米していった青年民権家たちがアメリカ西海岸で発行し続けた新聞発見を経験しました。こうした研究自分史をたどりながら、多摩の近現代史の魅力に迫ってみたいと思っています。

【授業予定】

第1回: 「五日市憲法」発見につながった土蔵開け
第2回: 埋もれていた千葉卓三郎の探索の旅と履歴書との対面
第3回: 竹橋事件で獄死した猪十郎の残したメモを読み解く
第4回: 幻の新聞といわれた渡米民権家の発行新聞との出会い

講師

新井勝紘(あらい かつひろ)

元専修大学文学部教授。現「高麗博物館」館長。「空と大地の歴史館」名誉館長。

歴史学(日本近代史・三多摩自由民権運動史/地域文化運動史)

町田市立自由民権資料館主査を経て、国立歴史民俗博物館歴史研究部助教授、専修大学文学部教授を歴任。

著書 『五日市憲法』(岩波新書、2018年)、

   『街道の日本史』多摩と甲州道中(共編著、吉川弘文館、2003年)

   『日本の時代史』自由民権と近代社会(編著、吉川弘文館、2004年)

  文学  

受付締め切りました

人文学と政治――エドワード・サイード再訪 (一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)9月20日〆切

日時:第4木曜日(12月のみ第3木曜)19:15〜20:45(9/27, 10/25, 11/22, 12/20)  会場:コウヨウ

 『オリエンタリズム』刊行から40年、エドワード・サイードが亡くなってからもすでに15年が経ちました。1990年代に学界を席巻したポストコロニアル批評も、2000年代以降はより社会科学的なアプローチをとるグローバリゼーション研究にとってかわられ、人文学はふたたび現実政治との接点を消失しつつあるように見えます。その一方で2018年現在、イスラエルによるパレスチナ人迫害は終わることなく(5月にもガザ地区でイスラエル軍による大規模な銃撃事件があったばかりです)、中東難民の受け入れに際して欧州でも移民排斥勢力が拡大するなど、わたしたちの生きる現実世界はサイードの生きた世界と地続きにあり、問題は何ひとつ解決していないのです。

 人文学研究者が政治にかかわるときのやり方には、おそらく二通りあります。自分の研究とは切り離して、ひとりの知識人として政治的な発言をするのか。あるいは、研究そのものが政治とどのようにかかわっているのかを問いなおし、思考し抜くのか。前者のやり方を選んだ代表的な研究者がノーム・チョムスキーであるとすれば、サイードは後者の問いにも真摯に向きあった批評家でした。メディアでのパブリックな発言はよく知られていますが、本講座では難解とされるサイードの学問的な著作を中心に取り上げ、人文学と政治のかかわりを理論的に考察します。初期の文学研究が『オリエンタリズム』へと深化する過程、フランス現代思想との対話、パレスチナ問題への積極的なかかわり、そして人文学への回帰にいたるまでの、サイードの思想の複雑な軌跡をじっくり辿りなおす予定です。

【授業予定】

第1回:サイード思想の「はじまり」――文学研究とフランス現代思想
第2回:『オリエンタリズム』から『世界・テキスト・批評家』へ
第3回:サイードとパレスチナ
第4回:人文学への回帰――『文化と帝国主義』とその後

【参考図書】

エドワード・W・サイード『世界・テクスト・批評家』法政大学出版局、1995年

エドワード・W・サイード/ジャン・モア『パレスチナとは何か』岩波現代文庫、2005年

エドワード・W・サイード『文化と帝国主義 1/2』みすず書房、1998年/2001年

講師

中井亜佐子(なかいあさこ)
一橋大学大学院言語社会研究科教授。英文学、批評理論。著書に『他者の自伝――ポストコロニアル文学を読む』(研究社、2007年)等。訳書にウェンディ・ブラウン『いかにして民主主義は失われていくのか――新自由主義の見えざる攻撃』(みすず書房、2017年)等。

  映画史  

受付締め切りました

日時が変更になりました。ご注意ください!  9月22日〆切

小津映画入門——作品に関わった人たちの言葉を手掛かりに (一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

日時:第3土曜日(9月のみ第5土曜) 19:15-20:45 (9/29、10/20、11/17、12/15)  会場:コウヨウ

本講座は、映画界の大巨匠・小津安二郎の作品を取り上げます。よく「小津のキャメラは、常に低い位置に固定されていて、それは日本人が畳に座った時の目の高さである」と言われます。しかし、本当に小津監督のキャメラは固定されているでしょうか? そして、その位置は、本当に畳に座った時の目の高さにあるでしょうか? これまで小津映画については様々なことが言われてきましたが、残念ながらその多くは厳密さを欠いています。このような通説を鵜呑みにする前に、小津映画をもう一度よく見返す必要があります。そしてその上で、これまで小津映画に関してどのような説明や意見、議論があったかを知ることは、小津映画をよりよく理解する上で有意義なことです。

 本講座では、実際に小津映画を見ながら、様々な小津映画の関係者たちが残した言葉(証言・批評・論考)を手掛かりに、小津映画の仕組みを明らかにます。

【授業予定】

第1回:小津映画と俳優たちの言葉:『東京物語』(1953)を中心に
第2回:小津映画と技術スタッフたちの言葉:『秋日和』(1960)を中心に
第3回:小津映画と批評家たちの言葉:『お茶漬の味』(1952)を中心に
第4回:小津映画と研究者たちの言葉:『晩春』(1949)を中心に

【参考図書】

松竹株式会社編『小津安二郎 新発見(講談社+α文庫)』(講談社、2003年)
高橋治『絢爛たる影絵 小津安二郎』(岩波書店、2010年)
蓮實重彥『監督 小津安二郎〈増補決定版〉』(筑摩書房、2003年)
佐藤忠男『完本 小津安二郎の芸術』(朝日新聞社、2004年)
ボードウェル、デヴィッド『小津安二郎 映画の詩学 新装版』杉山昭夫訳(青土社、2004年)

講師

正清健介(まさきよ けんすけ)
一橋大学大学院言語社会研究科博士研究員。映画学。
論文に「小津安二郎『お早よう』におけるオナラの音」(『表象』10号)、「小津安二郎『お茶漬の味』における画面外の声」(『映像学』98号)他。共著に『小津安二郎の肖像』(2018年予定)。翻訳に『ル・モンド・ディプロマティーク(日本語版)』映画記事他。

人文学/Shibuya                 

  哲学  

受付締め切りました

ベルクソン哲学入門―主著からのアプローチ ☆(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)

第1金曜日 19:15〜20:45(9/7, 10/5, 11/2, 12/7) 会場:アクアミーティングスペース渋谷

この講座ではアンリ・ベルクソン(1859-1941)の哲学を取りあげます。ベルクソンは19世紀末から20世紀前半にかけて独自の生命の哲学を展開したフランスの哲学者で、1928年にはノーベル文学賞を受賞したことでも知られています。哲学に厳密さを求めるベルクソンは、哲学の概念と現実の乖離を嘆き、言わば人間の肌感覚に寄り添う思想の追求を目指しました。既存の枠組みにとらわれずに思考しようとするその姿勢は、今でも著作に生き生きと表れ、きわめて緻密で中身の濃い議論を支えています。また彼の哲学は、フランスのジル・ドゥルーズなど20世紀の哲学者に影響を与えただけでなく、大正期の日本でも、小林秀雄をはじめとする多くの人々のあいだで広く読まれることとなりました。本講座では、『意識に直接与えられたものについての試論』、『物質と記憶』、『創造的進化』、『道徳と宗教の二源泉』の四つの主著を通して、ベルクソンが取り組んだ特徴的な主題を分かりやすく解説するとともに、ベルクソン哲学の面白さをお伝えしていきます。

【授業予定】

第1回:『意識に直接与えられたものについての試論』―時間の本質と自由
第2回:『物質と記憶』―記憶を介した心身の連携
第3回:『創造的進化』―生命のなかの知性
第4回:『道徳と宗教の二源泉』―呼びかけに応じる道徳

【参考図書】

ベルクソンの著作
『意識に直接与えられたものについての試論』合田正人・平井靖史訳、ちくま学芸文庫

『物質と記憶』合田正人・松本力訳、ちくま学芸文庫
『創造的進化』合田正人・松井久訳、ちくま学芸文庫
『道徳と宗教の二つの源泉』合田正人・小野浩太郎訳、ちくま学芸文庫

関連本
久米博・我孫子信・中田光雄編『ベルクソン読本』新装版、法政大学出版局
前田秀樹『ベルクソン哲学の遺言』、岩波書店

 

講師

磯部悠紀子(いそべ ゆきこ)

聖心女子大学、東京女子医科大学非常勤講師。専門はベルクソンを中心としたフランス哲学。2009年から2年間、ロータリー財団国際親善奨学生としてリール第3大学(フランス)に留学し修士号取得。帰国後、2014年に聖心女子大学にて博士(文学)。論文に「ベルクソン哲学における『揺れ』の発展的機能について」(『宗教と文化』第33号、2017年)、「ベルクソンとリクール:リクールの『承認の行程』におけるベルクソンの再認の観念」(『フランス哲学・思想研究』第15号、2010年、フランス語)ほか。

  文学  

受付締め切りました

シェイクスピアを読む(一般:8,000円/4回 学生:4,000円/4回)9月18日〆切

第4火曜日 19:15〜20:45 (9/25, 10/23, 11/27, 12/25) 会場:アクアミーティングスペース渋谷

ウィリアム・シェイクスピア(1564-1616)といえば、その名を知らないという人は少ないでしょうし、『ハムレット』や『ロミオとジュリエット』といった作品名や、それぞれの主人公の名前などもよく知られているでしょう。あるいは、舞台での上演や映画版などで実際に物語に触れたことのある人もいるでしょう。ですが、本来劇作家であった彼の作品(戯曲)を読むという経験は、あまり広くなされてはいないだろうと思います。

 本講座では、シェイクスピアの代表的な喜劇、悲劇、ロマンス劇をひとつずつ取り上げ、舞台上演の映像も参照しながら、戯曲を読んでみます。初回にシェイクスピア自身のことや彼の生きた時代のイギリス演劇の世界について、またそれぞれのジャンルの特質について、概要を説明します。第2~4回目では、それぞれの物語の概要や人物関係を整理してから、重要な台詞について英語原文と日本語訳をもとに解説をします。基本的には講義形式ですが、受講者のみなさんの意見や疑問などもどんどん聞いてみたいと思っています。一緒にシェイクスピアの面白さを見つけていければ嬉しいです。

【授業予定】

第1回 「この世界は、ひとつの舞台」――シェイクスピアについて
第2回 「人間って、なんて馬鹿なんでしょう」――『夏の夜の夢』について
第3回 「用心なさい、嫉妬というやつに」――『オセロー』について
第4回 「ああ、素晴らしい新世界」――『テンペスト』について

【参考図書】

シェイクスピア『夏の夜の夢・間違いの喜劇』(ちくま文庫)松岡和子訳、筑摩書房

シェイクスピア『オセロー』(ちくま文庫)松岡和子訳、筑摩書房

シェイクスピア『テンペスト』(ちくま文庫)松岡和子訳、筑摩書房

河合祥一郎『シェイクスピア 人生劇場の達人』(中公新書)中央公論新社

松岡和子『深読みシェイクスピア』(新潮文庫)新潮社 

講師

伊澤高志(いざわ たかし) 
立正大学文学部准教授。専門は17世紀英文学(演劇と詩)。論文に「愛し合う身体と言葉のゆくえ――『ロミオとジュリエット』における愛、性、結婚」(『nyx』第2号、堀之内出版)など。訳書にドリーン・マッシー『空間のために』(共訳、月曜社)、トニー・ジャット『失われた二〇世紀』(上下巻、共訳、NTT出版)

人文学ゼミ/KUNITACHI         

 語学  

​受付締め切りました

初級ラテン語Ⅲ ☆(一般:12,000円/8回 学生:6,000円/8回)※定員20名・月2回開講 

第1・第3木曜 19:15〜20:45(9/6, 9/20, 10/4, 10/18, 11/1, 11/15, 12/6, 12/20) 会場:コウヨウ

 古代ローマ帝国で公用語として使われるようになったラテン語は、キリスト教の公用語として、さらには近代に至るまで学術、文学の領域で主要な言語として西洋世界を支え続けてきました。午前・午後をあらわすAMやPM、ウィルスやアドリブなど、私たちの身の回りでは少なからぬラテン語が使われていますが、そのことはつまり私たちの生活に西洋世界の文化が深く浸透しているということを意味します。ラテン語を学ぶことはそのような西洋世界の言語、文化、思想についてより深く理解する一助となるでしょう。

本講座では「初級ラテン語Ⅰ・Ⅱ」で学んだ内容(名詞及び形容詞の変化と用法、動詞の直説法)をもとに、引き続き文法事項を学んで行きます。但し受講者の理解度にあわせて進めていきますので、「初級ラテン語Ⅰ・Ⅱ」を受講していない方が本講座から受講することも歓迎します。

【授業予定】

第1回:「これまでに学んだこと」:「初級ラテン語Ⅰ・Ⅱ」で学んだことについて確認します
第2回:「疑問代名詞・形容詞、不定代名詞・形容詞」:疑問代名詞・形容詞、不定代名詞・形容詞の活用及び用法について学びます
第3回:「能動態欠如動詞」:能動態欠如動詞(deponentia)について学びます
第4回:「比較級と命令法」:形容詞及び副詞の比較級及び最上級の作られ方及び用法、そして動詞の命令法について学びます
第5回:「動詞の接続法」:動詞の接続法について学びますす
第6回:「関係代名詞」:関係代名詞について学びます
第7回:「動名詞・動形容詞」:動名詞及び動形容詞について学びます
第8回:「目的分詞、まとめ」:目的分詞について学び、これまで学んできた内容の復習をします

 

​【使用テキスト】

​河島思朗『基本から学ぶラテン語』ナツメ社、2016年

 

講師

村上寛(むらかみひろし) 

日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)。立教大学、明治学院大学、上智大学非常勤講師(ラテン語科目)、早稲田大学非常勤講師。専門は西洋中世思想。「マルグリット・ポレートの神化思想―源流と波紋、水と火の比喩を中心に」(田島照久、阿部善彦編著『テオーシス―東方・西方教会における人間神化思想の伝統』教友社、2018年)、「『単純な魂の鏡』における三つの死と三つの生」(甚野尚志、益田朋幸編『ヨーロッパ文化の再生と革新』、知泉書館、2016年)他。

  文学  

​随時受付中(申し込み時点での残り講座回数に応じて回数割いたします)

『源氏物語』を読む ☆☆(一般:12,000円/8回 学生:6,000円/8回)※定員10名・月2回開講  

第1・第3金曜日19:00〜20:30(9/7, 9/21, 10/5, 10/19, 11/2, 11/16, 12/7, 12/21) 会場:リトマス

日本文学のなかで最も有名な作品のひとつである『源氏物語』ですが、実際に原文で読んだことのある人は多くないでしょう。学校の授業や試験に出た経験から、難しく堅苦しい、間違ってはいけないものというイメージをお持ちの方もいるかもしれません。ですが少しずつ気になる部分を見つけて読んでいけば、決して難しいものではありません。
 本講座では、いくつかの注釈書を比較し参考にしながら、『源氏物語』を原文で少しずつ読んでいきます。適宜解説し、現代語訳も参照しますので、高校の古典に苦手意識を持っていた方でも大丈夫です。主人公であった光源氏が亡くなった後の、宇治を舞台とする宇治十帖を読んでいきます。今回は4月期からの続きを読んでいきますが、それまでの部分についても説明しますので、初めての方でも安心してご参加になれます。
宇治十帖においては、真剣な主人公とアイロニカルな語りの落差がときに滑稽さを産み出します。これまで知らなかった『源氏物語』の魅力を見つけることができるでしょう。

 

【使用テキスト】

配布資料を使用。

市販のものであれば、角川ソフィア文庫『源氏物語 8巻』が安価です。​

講師

西原志保(にしはら しほ)

人間文化研究機構国立国語研究所研究員

専門は『源氏物語』を中心とした日本文学。著書に『『源氏物語』女三の宮の〈内面〉』(新典社新書)、論文に「女三の宮のことば―六条院の空間と時間」(『日本文学』2008年12月)ほか。

※講師インタビューはこちら (PDF版はこちら)

  哲学  

受付締め切りました

満員御礼

ヘーゲル『精神現象学』を読む ☆☆(一般:12,000円/8回 学生:6,000円/8回)※定員10名・月2回開講 

第2・第4金曜日(11月第4の代わりに第5金曜/12月第4金曜の代わりに1月第2金曜) 19:30〜21:00  (9/14, 9/28, 10/12, 10/26, 11/9, 11/30, 12/14, 2019/1/11) 会場:リトマス

この人文ゼミでは、前期に引き続きヘーゲル『精神現象学』を実際に読みながら、担当講師による 解説と、受講者相互の議論を通じて、理解を深めていきます。『精神現象学』は1807年に出版された、ヘーゲルの主著であり、哲学史上の著作の中でもとくに難解なことで知られていますが、専門家の手引きがあれば、予備知識のない読者でも十分読み進めていくことができます。今期は有名な「自己意識」章のなかでも「不幸な意識」を扱います。この箇所は「主人と奴隷の弁証法」とならんで、ヘーゲル以降の哲学に影響を与えた箇所であり、ここでヘーゲルは、キリスト教の歴史を「不幸な意識」という分裂した意識の展開として描きます。『精神現象学』を理解するためだけでなく、ヘーゲルのキリスト教にたいする対する向き合い方を知る上でも、とても面白いところです。最初の回にこれまでの概要を解説しますので、初めての方も安心して受講してください。各回進むのは5頁程度となります。

 

【使用テキスト】
『精神現象学』の翻訳は、大河内泰樹氏による訳を配布します。

既存の翻訳を手元に置いておきたい方は以下のものが比較的安価で定評があります。
樫山欽四郎訳『精神現象学 上』平凡社ライブラリー、1997年

 

講師

上田 尚徳(かみだ ひさのり)
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程。
著書に『ヘーゲルと現代思想』(寄川条路編、晃洋書房、2017年)、論文に「ヘーゲル『精神現象学』「Ⅰ感覚的確信」における指摘の問題」(『一橋社会科学』、2017年)「物を認識するとはいかなることか――ヘーゲル『精神現象学』「Ⅱ知覚」に関する一考察」(『唯物論研究年誌』、2017年)など。