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  哲学  

バタイユ入門【サテライト講座】★(受講料8,000円/1期)

第3水曜日 19:00-20:30(4/19、5/17、6/21、7/19)/会場:アクアミーティングスペース渋谷

20世紀フランスの思想家ジョルジュ・バタイユは、一般的に『マダム・エドワルダ』や『眼球譚』のようなエロティックな小説で知られています。しかし他方で、贈与や供犠、浪費といった観点から有用性や合理性を重視する近代社会を鋭く批判する社会批評も著していました。また、ヘーゲルやニーチェといった哲学者から影響を受け、実存主義のサルトルと対決し、フーコーやデリダのような現代思想にも影響を与えた思想家でもありました。この講義では、バタイユの哲学的・思想的な主著を毎回一冊ずつ取り上げ、その生涯や社会的背景、哲学者たちとの影響関係などを踏まえながら、そこに書かれてあることをごく基本的なことから丁寧に解きほぐしていきます。また、授業後には自由に質問ができる質疑応答の時間も設けて、理解を深めていく予定です。

 

【授業予定】

第1回 『内的体験』「不可能なもの」について考える

第2回 『呪われた部分』経済と贈与の関係について考える

第3回 『宗教の理論』現代社会における「聖なるもの」を考える

第4回 『エロティシズム』禁止と侵犯からエロティシズムを考える

 

講師

佐々木雄大(ささき ゆうた)

玉川大学非常勤講師。哲学・倫理学。

『ニュクス』創刊号「〈エコノミー〉概念の思想史」主幹(堀之内出版、2015年)。共著に『近代哲学の名著』(中公新書、2011年)『現代哲学の名著』(中公新書、2009年)等。

 

ホルクハイマー&アドルノ著『啓蒙の弁証法』入門 ★(受講料8,000円/1期)

第3火曜日 19:00〜20:30(4/18、5/16、6/20、7/18)/会場:リトマス

この講座では、ナチス・ドイツから逃れアメリカに亡命していたドイツ系ユダヤ人の哲学者ホルクハイマーとアドルノが第二次世界大戦の末期に共に議論を重ねて作り上げた『啓蒙の弁証法』という本を紹介します。ファシズムに直面し、自らも亡命を余儀なくされた二人は、本書で「何故に人類は、真に人間的な状態に踏み入って行く代わりに、一種の新しい野蛮状態へ落ち込んでいくのか」という問いをめぐって、議論を進めていきます。彼らに理性への信頼を失わせたのは、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害といった事実だけではなく、亡命先でのアメリカで体験された文化産業の動向でもありました。西洋近代においては文明化と科学技術の発展により、社会が進歩し、さまざまな制限や野蛮から人間たちが解放されてゆくことが期待されてきました。その期待がそもそも間違いであったことを徹底的に論じているのが、この『啓蒙の弁証法』であったわけです。本講義ではまず彼らが創設したフランクフルト学派と呼ばれる研究集団について説明し、彼らの最も重要なテキストでもある『啓蒙の弁証法』の重要な章を紹介します。その上で、現代社会とそれを扱う社会理論にとって、ホルクハイマーとアドルノの『啓蒙の弁証法』がいかなる示唆を与えてくれるのかについて論じてみたいと思います。

【授業予定】

第1回 フランクフルト学派?批判理論?

第2回 ​『啓蒙の弁証法』入門①

第3回 『啓蒙の弁証法』入門②

第4回 現代社会における理性と野蛮

講師

宮本真也(みやもと しんや)

明治大学情報コミュニケーション学部准教授。社会学。

著書に『コミュニケーション社会学入門』(共著、世界思想社、2003年)、翻訳に『見えないこと——相互主体性理論の諸段階について』(共訳、アクセル・ホネット著、法政大学出版局、2015年)等。

 

 

  文学  

文学理論入門 ★★(受講料8,000円/1期) 藤田直哉氏推薦!

第4月曜日 19:00〜20:30(4/24、5/22、6/26、7/24)/会場:リトマス

本講義は、言葉にかかわる四つの問い――言語メッセージは何によって芸術作品となるのか、テクストはいかにして不可解なもの、読みえないものになるのか、物語は何を欲しているのか、フィクションはどのように現実に関与するのか――を出発点にして、文学がもつと考えられる四つの機能――詩的機能、脱構築的機能、政治的無意識という機能、社会的言説としての機能――に焦点をあてます。世にいう「文学」を、自明なものして前提とするのではなく、こうした問いが浮上する場としてとらえること、そして、いわゆる「理論」をこうした問いと機能をめぐる反省の試みとしてとらえること。講義では、このような視点にたって、いくつかの代表的な文学理論を解説し、吟味できればと考えています。

【授業予定】

全四回の講義の仮題と各回でふれる予定の主な理論(家)は、以下の通りです。

第1回 「詩学と美学」——ロマン・ヤコブソンをはじめとするロシア・フォルマリズムとクレアンス・ブルックスを代表とする〈ニュー・クリティシズム〉。

第2回 「修辞的に読む」——構造主義と、ポール・ド・マンを中心としたいわゆる「脱構築」批評。

第3回 「テクストの夢作業」——フロイトの夢解釈と、それをモデルにしたフレドリック・ジェイムソンのマルクス主義的解釈学。

第4回 「文学と社会」——新歴史主義、クィア理論、エドワード・サイード、文学の社会史など。

 

講師

中山徹(なかやま とおる)

一橋大学大学院言語社会研究科教授。専門は英文学。著書に『ジョイスの反美学――モダニズム批判としての『ユリシーズ』』(彩流社、2014年)、『ジョイスの迷宮――『若き日の芸術家の肖像』に嵌る方法』(共著、言叢社、2016年)、『文学研究のマニフェスト――ポスト理論・歴史主義の英米文学批評入門』(共著、研究社、2012年)など。訳書にスラヴォイ・ジジェク『ジジェク、革命を語る――不可能なことを求めよ』(青土社、2014年)、ジジェク『暴力――6つの斜めからの省察』(青土社、2010年)など。現在、ポール・ド・マン『ロマン主義と現代批評』の翻訳を準備中。

 

 

 

  歴史  

革命前夜のパリ——「世論」誕生からみる権力イメージの変化 ★★(受講料8,000円/1期)

第3木曜日 19:00〜20:30 (4/20、5/18、6/15、7/20)/会場:リトマス

私たちはテレビや新聞等で世論調査の結果を日常的に目にしています。しかし、「世論」とは一体、誰の、どのような意見なのでしょうか。本授業では、現代民主主義社会の重要な要素のひとつである「世論」の誕生と展開を、18世紀後半のフランス、特に都市パリを中心に考察したいと思います。フランス革命に先立つ数十年間は、政治的・文化的・社会的な変容が進行し、既存の権力行使のあり方に異論が申し立てられます。こうした背景のもと登場する新しい観念のひとつが「世論」であり、これが立ち上がるプロセスを、著名な思想家や政治家の言説からだけでなく、できる限り日常のレベルに即して考えていきたいと思います。

【授業予定】

第1回 絶対王政下フランスの統治構造

第2回 18世紀の政治と「世論」

第3回 18世紀パリの社会・文化と「世論」

第4回 パリ民衆と「世論」

講師

松本礼子(まつもと れいこ)

一橋大学大学院経済学研究科・特任講師。歴史学(フランス近世史)。

『歴史学と、出会う』(共著、青木書店、2015年)、『地域の比較社会史—ヨーロッパとロシア』(共著、日本エディタースクール出版部、2007年)。

 

 

温泉地から見る近現代日本 ★★(受講料8,000円/1期)

第2月曜日(初回のみ第3月曜日) 19:00〜20:30(4/17、5/8、6/12、7/10)/会場:リトマス

本講義では、近現代日本の温泉地がどのような歴史的変化を遂げてきたのか、資源利用、軍隊、女性労働といった論点を中心に紹介します。日頃、観光行楽の場として訪れるそれぞれの温泉地の隠された歴史を通して、近現代日本社会の歴史的な変遷をみていきたいと思います。主に静岡県熱海温泉を事例にしますが、比較対象として、愛媛県道後温泉、福島県常磐湯本温泉、長野県戸倉上山田温泉など、各地の温泉地の事例も紹介します。(第1回、第2回は戦前を、第3回、第4回は第二次世界大戦以降を対象とします。)

 

【授業予定】

第1回 資源利用から見る温泉地-温泉をめぐる紛争・対立-(熱海・常磐湯本)

第2回 傷病兵が訪れる温泉地―戦争・軍隊との関わり―(熱海・道後・戸倉上山田)

第3回 近現代日本の温泉地の発展過程-大規模温泉地の登場と集中管理-(熱海・伊豆長岡)

第4回 温泉地で働く人々―高度経済成長期の女性たち― (熱海)

講師

高柳友彦(たかやなぎ ともひこ)

一橋大学大学院経済学研究科講師。専門は近現代日本経済史。

「源泉利用を通じた地域行財政運営の歴史的変容 : 戦前期道後湯之町を事例に」『歴史と経済』223号、2014年、「地域社会における資源管理―戦間期の熱海温泉を事例に―」『社会経済史学』73巻1号、2007年。

     

  美術史  

日本美術における鳥の表象―正倉院から江戸琳派まで― ★(受講料8,000円/1期)

第1火曜日(第2回のみ第2火曜日) 19:00〜20:30(4/4、5/9、6/6、7/4)/会場:リトマス

古来、日本美術には鳥が数多く登場し、それぞれの時代や人々の生活を彩ってきました。鳥や花を題材とする絵画を「花鳥画」と称しますが、本講義では花鳥画に限らず、古代から近世の鳥が登場する美術を題材として、そこに込められた人々の願いや、その描かれ方からわかる制作当時の鳥に対する意識や通念などを読み解きます。

【授業予定】

第1回 日本美術における鳥の表象―正倉院から江戸琳派まで―
第2回 鳥の王国・涅槃図
第3回 東洋美術におけるツル
第4回 江戸の町にペリカンがいた!―出光美術館所蔵《江戸名所図屏風》―

 

講師

藤元晶子(ふじもと しょうこ)

一橋大学大学教育研究開発センター非常勤講師、國華社編集員。専門は日本美術(中近世絵画)。「大梅山長福寺所蔵『仏涅槃図』に描かれた鳥類について―浄土寺本・本覚寺本との比較を踏まえて―」(『佛教藝術』339号、2015年3月)、「出光美術館所蔵『江戸名所図屏風』の作画期について」(『國華』1414号、2013年8月)他。

​  語学  

ラテン語に触れてみる ★(受講料8,000円/1期)

第1木曜日(5月のみ第2木曜日) 19:00〜20:30(4/6、5/11、6/1、7/6)/会場:リトマス

午前と午後を表すA.M.とP.M.、インフルエンザなどのウィルス、アドリブ、エトセトラ・・・これらは全てラテン語か、その略語です。ラテン語は古代ローマ帝国の公用語で、近代に至るまで西洋世界の学術的な共通語として使用されてきた、いわば西洋世界の基盤を形成してきた言語であり、ラテン語の直接の子孫であるイタリア語やフランス語はもちろん、英語にもラテン語由来の言葉が数多く含まれています。例えば共同体を意味するコミュニティ(community)はラテン語のcommunitas(公共心)やcommunis(共有の)という語に由来しますが、これらの語は「共に」を意味するconと「義務や贈り物、好意」を意味するmunusという語から成る言葉で、つまりは「義務を共にするもの、相互に贈り物をする関係、好意を持つ者同士」といった意味になります。このように、ラテン語を学ぶことは単に知らない言語を学ぶというだけではなく、私たちの生活に深く浸透している西洋世界の言語、文化、思想をより深く知ること、捉え直すことに繋がるものであると言えるでしょう。
本講義ではラテン語の歴史から始まり、発音、動詞や名詞の基本的な格変化について学びます。ラテン語は難しいイメージもありますが、ゆっくりと、楽しみながらその奥深い世界に触れてみましょう。

【授業予定】

第1回 ラテン語の歴史と発音: ラテン語の歴史と発音について学びます。

第2回 動詞の活用(現在形): 活用、つまり語尾の形によって主語の人称や時制を示す動詞の機能と、現在形の活用について学びます。

第3回 名詞の格変化:格変化、つまり語尾の形によって主語になったり目的語になったりする名詞の機能と、格変化について学びます。

第4回 形容詞の格変化と用法:形容詞の格変化と用法について学び、ごく簡単な文章を読み、書くことを目指します。

 

講師

​村上寛(むらかみ ひろし)

​1981年生まれ。早稲田大学にて博士(文学)を取得。現在は早稲田大学、立教大学、明治学院大学、上智大学でラテン語などの講座を担当。専門は西洋中世思想、特にいわゆる神秘思想、異端に関する思想など。

人文学

ヘーゲル『精神現象学』を読む ★★ (受講料:12,000円/1期)※定員10名・月2回の開講 

  定員となりました 現在キャンセル待ちのみ受付中

 

第2・4金曜日 19:30〜21:00(4/14、4/28、5/12、5/26、6/9、6/23、7/14 、7/28)/会場:リトマス

この人文ゼミでは、講師が翻訳したヘーゲル『精神現象学』を実際に読みながら、担当講師による 解説と、受講者相互の議論を通じて、理解を深めていきます。『精神現象学』は1807年に出版された、ヘーゲルの主著であり、哲学史上の著作の中でもとく に難解なことで知られていますが、専門家の手引きがあれば、予備知識のない読者でも十分読み進めていくことができます。今期は、「意識章」を読み進めていきます。この箇所は序文・緒論につづいて、じっさいに〈意識の経験〉が始まる最初の段階にあたり、目の前にあると感じていることを真理だと見なす〈感覚的確信〉からスタートし、〈知覚〉、〈悟性〉へと進みます。各回進むのは5頁程度となります。

 

【使用テキスト】
担当講師による翻訳を配布いたしますが、既存の翻訳を手元に置いておきたい方は以下のものが比較的安価で定評があります。
樫山欽四郎訳『精神現象学 上』平凡社ライブラリー、1997年

 

講師

大河内泰樹(おおこうち たいじゅ)

一橋大学大学院社会学研究科教授。哲学(ドイツ観念論、批判理論)。

国立人文研究所代表。

『人文学と制度』(共著、未來社、2013年)、『労働と思想』(共著、堀之内出版、2015年)、『神話・狂気・哄笑−−ドイツ観念論における主体性』(監訳、堀之内出版、2015年) など。

人文学ゼミ

2017年4月期開講講座