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  哲学  

ヘーゲル哲学入門 

2016年4月期、第4金曜日(4/22、5/27、6/24、7/22)19:00-20:30

ヘーゲルは18世紀末から19世紀にかけて活躍した、カントやハイデガーと並ぶドイツ哲学史上最大の哲学者です。哲学について詳しく知らない方でも、「弁証法」や「止揚」といった彼が有名にした哲学用語は知っている方も多いことでしょう。ヘーゲルは、それまでに西洋哲学を総合しようとしただけでなく、マルクスやフランクフルト学派など、のちの哲学・社会思想にも大きな影響を与えました。難解で知られるヘーゲル哲学ですが、この講義ではできるだけわかりやすく、彼の哲学のエッセンスを伝えます。

 

【授業予定】

第1回 「愛による運命との和解」 (初期ヘーゲル)(4/22)
第2回 主人と奴隷の弁証法(『精神現象学』)(5/27)
第3回 〈人倫〉:近代社会の克服 (『法の哲学』)(6/24)
第4回 歴史と弁証法 (「体系」と『歴史哲学』)(7/22)

 

講師

大河内泰樹(おおこうち たいじゅ)

一橋大学大学院社会学研究科教授。哲学(ドイツ観念論、批判理論)。

国立人文研究所代表。

『人文学と制度』(共著、未來社、2013年)、『労働と思想』(共著、堀之内出版、2015年)、『神話・狂気・哄笑−−ドイツ観念論における主体性』(監訳、堀之内出版、2015年) など。

 

 

エコノミーとは何か:概念から学ぶ哲学史

2016年4月期、第2土曜日(4/9、5/14、6/11、7/9)15:00-16:30

「エコノミー」と聞くと、何を思い浮かべますか。経済、節約、飛行機の安い席などを普通は連想するかもしれません。しかし、哲学の歴史をひもといてみると、実は、「エコノミー」という概念は元々そうした意味ではありませんでした。例えば、家政、宇宙の統御、人類救済の歴史、神による世界統治、生物や自然の有機的システム等々を意味していたのです。これは一体どういうことでしょうか。また、どうして現在のような「経済」の意味になったのでしょうか。そして、どのようにして「エコロジー」という言葉は「エコノミー」から出てきたのでしょうか。私たち人間の生の条件であるエコノミーを、その概念の歴史から考えていきます。

 

【授業予定】

 第1回 古代:家の運営から宇宙の運営へ(4/9)

 第2回 中世:神が宇宙を統治する三つの仕方(5/14)

 第3回 近世:自然・動物・政治のエコノミー(6/11)

 第4回 近代:経済学とエコロジーの誕生(7/9)

 

講師

佐々木雄大(ささき ゆうた)

玉川大学非常勤講師。哲学・倫理学。

『ニュクス』創刊号「〈エコノミー〉概念の思想史」主幹(堀之内出版、2015年)。共著に『近代哲学の名著』(中公新書、2011年)『現代哲学の名著』(中公新書、2009年)等。

 

 

 

  文学  

『風と共に去りぬ』から読み解くアメリカ南部社会 

2016年4月期、第3木曜日(4/21、5/19、6/16、7/21) 19:00-20:30

知らない人がいないこの作品ですが、どちらかというと映画のイメージが先行しているかもしれません。美しいスカーレット・オハラ。けれども原作を紐解いてみると、冒頭から彼女は規格外れとして描かれています。当時のアメリカ南部社会において規格にはまった女とは? なぜスカーレットはあれほどに戦後の日本の女たちをを熱狂させたのか? 南部社会のこと(南北戦争、人種問題、騎士道精神、女らしさなど)を作品から伺いつつ、ミッチェルが作品を執筆した1930年代南部のことや、戦後最も売れた翻訳小説としての『風と共に去りぬ』も考えてみたいと思います。できれば翻訳を読んでおいてくださるとより理解が深まると思います。

 

【授業予定】

第1回 アメリカ南部の歴史とナショナリズム(4/21)

第2回 人種のステレオタイプと階級(5/19)

第3回 女らしさの規範(6/16)

第4回 スカーレット・オハラの物語の意味——1936年のアメリカ南部、第二次世界大戦後の日本(7/21)

 

講師

越智博美(おち ひろみ)

一橋大学大学院商学研究科教授。アメリカ文学・文化。

著書『トルーマン・カポーティ—人と文学』(勉誠出版、2005)、『モダニズムの南部的瞬間——アメリカ南部詩人と冷戦』(2012)など。アメリカの南部文学・文化を専門としているが、第二次世界大戦以後のアメリカ文学研究と冷戦期の文化政策との関係、あるいはまたそのような政策と日本の戦後復興の関係にも関心を持っている。

 

 

『人魚姫』を読む 

2016年4月期、第2木曜日(4/14、5/12、6/9、7/14) 15:00-16:30

わたしたちの多くは、「人魚」と聞くと、若く美しい女性の人魚を思い浮かべます。しかし、この姿が定着したのは18~19世紀、つまり、長い文学史の中では「ごく最近」のこと。イメージを決定づけた作品のひとつは、アンデルセン『人魚姫』(1837/デンマーク)でした。では、それ以前の人魚はどのようにイメージされていたのか?『人魚姫』のオリジナリティには、どのような文化的・歴史的・社会的背景があるのか?当時のデンマークの状況やアンデルセンの体験との関わりは?この授業では、「鳥(セイレーン)」、「バレリーナ」、「男性人魚」、「動物」をキーワードに、ヨーロッパにおける人魚のイメージの歴史と関連させながら、『人魚姫』を論じます。

 

講師

中丸禎子(なかまる ていこ)

東京理科大学理学部第一部教養学科講師。文学(北欧文学、ドイツ文学)。

「人魚姫のメタモルフォーゼ」(石井正己編『子守唄と民話』所収、三弥井書店、2013)、「北の孤島の家族の形 海、自分だけの部屋、モラン」(『ユリイカ』(特集=ムーミンとトーベ・ヤンソン/8月号所収、青土社、2014年)、『アイスランド、グリーンランド、北極を知るための65章』(共編著、明石書店、2016年刊行予定)。

 

 

 

 

  歴史  

国立からみる近代日本 

2016年4月期、第2月曜日(4/11、5/9、6/13、7/11)13:00-14:30

歴史学は、「いま」「ここ」を起点として過去をみつめ、「むこう」を、あるいは「むこう」から考える学問です。そこでは、身近にあるモノやコトへの着目や問いが、学びにおける大切な出発点のひとつとなります。この授業では、国立という場に立って、国立「の」近代を、いくつかのポイントにしぼって掘りさげるとともに、その背後に広がる社会のありようを展望することで、国立「から」近代の日本社会を考えることを目指します。

 

講師

石居人也(いしい ひとなり) 

一橋大学大学院社会学研究科准教授。歴史学(日本近代史)。

『歴史学と、出会う』(共編著、青木書店、2015年)、「社会問題の「発生」」『岩波講座日本歴史』第16巻(岩波書店、2014年)、『近代都市の装置と統治』(共著、日本経済評論社、2013年)など。

 

 

「難民問題」からさかのぼって考える東ヨーロッパ現代史 ☆

2016年4月期、第4水曜日(4/27、5/25、6/22、7/27)19:00-20:30

 2015年の夏から注目を集めるようになった中東方面からヨーロッパに流れる難民の波は、中東・アフリカ・南アジアの紛争と貧困の深刻さを表していると同時に、ヨーロッパ内部の亀裂の深さ、EUの抱える矛盾をも露わにしつつあります。ハンガリーをはじめとする東欧諸国がなぜ難民流入に強硬に反対するのか、西欧諸国との違いは何に起因するのかを、冷戦の40年間、社会主義体制の崩壊、体制転換後の25年間にさかのぼりながら考察します。

 

講師

秋山晋吾(あきやま しんご) 

一橋大学大学院社会学研究科教授。歴史学(東欧・中欧史)。
編著書に『つながりと権力の世界史』(彩流社)、訳書・監訳書に、R.オーキー『ハプスブルク君主国』(NTT出版)、J.サーヴァイ『ハンガリー』(白水社)、M.グリーン『海賊と商人の地中海』(NTT出版)など。

人文学